2010年10月31日、台北郊外の自宅に台湾の李登輝元総統を訪ね、玄関前で握手する安倍晋三前首相(李登輝基金会提供)■「『李登輝なき台湾』の1年が生んだ対中連携 河崎真澄」へ 台湾の民主化を進めた李登輝(り・とうき)元総統が昨年、97歳で逝去して30日で1年となる。これに先立ち、安倍晋三前首相が産経新聞のインタビューに「世界の中でこれほど日本のことを思ってくれたリーダーは(李氏以外に)存在しなかった。諸般の状況が許せばお墓参りをしたい」と述べ、新型コロナウイルス感染症の動向などを見極めながら台湾を訪問したい意向を表明した。李氏は台北郊外の公的墓地に埋葬されている。 安倍氏は1994年、自民党青年局の一員として訪台し、総統だった李氏と初めて面会して以来、交流を重ねてきた。李氏は中国が多数の弾道ミサイルを台湾近海に撃ち込んだ95~96年の台湾海峡危機など安全保障上の窮地を何度も乗り越えており、