殉職した清水与四郎巡査が倒れたとされる「血染めの芝生」に水をやる警視庁警備部の関岡明警護課長(後方の写真は殉職した警察官に遺影)=2月25日午後、東京・霞が関の警視庁(宮川浩和撮影) 陸軍の青年将校らが軍事クーデターを狙った昭和11年の「二・二六事件」は、26日で80年となる。政府要人が殺傷され、首相官邸など日本の中枢が占拠された大事件。警視庁も応戦したが強力な武装と兵力に圧倒され警察官5人が殉職した。東京・桜田門の警視庁本部には当時をしのぶ遺品が引き継がれ、首都の治安を担う誇りを今に伝えている。 警視庁本部16階。警護課の窓辺に置かれたプランターに芝生が茂っている。首相官邸で襲われた岡田啓介首相(当時)を警護中に殉職した清水与四郎巡査=当時(29)=が倒れ、鮮血で染まった庭の芝生を移植したものだ。 「命がけで警護する。同じ任務を持つ先人の誇り、気概を感じる」と警護課の関岡明課長は語る。同