矢部宏治氏から「日本はなぜ、『基地』と『原発』を止められないのか」の新書版(「講談社α文庫」)の献本を受けた。 これは彼が5年前に集英社インターナショナルから出版した同名の本を文庫にしたものである。 しかしこの本の価値はその「あとがき」にこそ意味がある。 そこで矢部氏は、日米安保条約が、朝鮮戦争のさなかに、米国の日本占領政策の張本人であるダレスの了解を得た一人の米国軍人、カーター・B・マグルーダー陸軍少佐の手によって起草されたことを明らかにした。 つまり日米安保条約は、戦時に、軍人によって起草された条約だったのだ。 日本の主権が無視されているのは当然なのである。 しかも、旧安保条約の不平等条約をなくしたと喧伝されている岸信介首相による新安保条約もまた、そっくりそのまま、数々の密約によって旧安保条約を引き継ぎ、今日に至る日米合同委員会と日米安保協議委員会(いわゆる外務・防衛閣僚協議ー2プラス