2020年3月、ほぼ日で新連載『いなくならない父のこと』をスタートさせた岸田奈美さん。下着店での試着エピソード、静まり返った新幹線で槇原敬之の音楽が爆音で流れた話、愛すべき家族のことなど、ユーモアあふれる文体で綴るノンフィンションが人気の作家だ。聞けばつい1ヶ月前まで会社員だった!? 全2本立てでお届けします。 [1]note『弟が万引きを疑われ、そして母は赤べこになった』で、作家人生がはじまっちゃった話 [2]父の突然死、母の下半身麻痺を経て。人生の逆境が私に教えてくれたこと。 誰のことも傷つけない、ユーモアと愛を君に。 彼女の書く文章は、笑える。電車で読んで思わず吹き出しまうことさえある。 ただ、すごく不思議なのが、読み終わったとき、なにげない日常の愛おしさにハッと気付かされることだ。文体には、彼女のやさしさ、しなやかさ、強さがにじみでている。 そこにあるのは、誰のことも傷つけないユー