「桜を見る会」とその前夜祭が問われている。問題だらけだ。なのに、安倍晋三首相や菅義偉官房長官らは、ごまかして逃げようとしている。ごまかしを許さないために野党が物証をつかもうとすると、「いつまでも、くだらないことを」と外野から非難の声が上がる。 しかし、ことは公職選挙法と政治資金規正法の違反に首相が問われているという問題だ。さらに、要人や功績・功労のあった人々を招待する「桜を見る会」に、反社会的勢力の関係者が参加していた疑いも出ているが、それも名簿がないからと検証できていない。 「いつまでも、くだらないことを」と言う人は、非難の矛先を野党に向けようと躍起になっている。だが、さっさと問題を収束させたいのであれば、ホテルに明細書を出させろ、首相は招待者名簿や受付票を探すよう指示しろ、野党の質疑にきちんと答えよ、と言うべきだ。そう言わずにあえて問題の焦点をぼかそうとする人の意見に、惑わされるべきで
毎月勤労統計への官邸の不当な介入をめぐる問題。野党の追及が続いているが、政府はあえて論点をずらした答弁を行うことによって、攪乱を図っていると見えるフシがある。 2015年3月と9月の官邸介入は、サンプル入れ替え時の遡及改訂によって、過去の数値が悪化することを防ぐためだったと筆者は考えている。 この官邸介入については、筆者が行った衆議院予算委員会中央公聴会公述人意見陳述(2019年2月26日)の後半において言及しており、その公述原稿を前回の記事で公開しているので、ご確認いただきたい。 過去の数値の悪化とは、具体的にはこうだ。 2015年1月分から30~499人規模の事業所の全数入れ替えに伴う遡及改訂によって、2014年10月の名目賃金は0.2から-0.1に、2014年11月の名目賃金も0.1から-0.2に、変更され、プラスからマイナスに転じることとなった。 この値の変更は、2015年3月31
筆者が意見陳述で述べたのは以上である。さらに、同意見陳述で配布した資料の一部を併せて紹介しておきたい。 <資料> (1) 毎月勤労統計の不正関係:時系列 ● 2004年:東京都500人以上規模の事業所について、約3分の1の抽出調査を開始 ● 2017年5月:石原統計室長がシステム改修を指示 ● 2017年冬:石原統計室長が上司の酒光統括官に不正を報告 ● 2018年:1月分の調査より、東京都500人以上の事業所について、復元処理を開始 ● 2018年4月20日:厚生労働省「毎月勤労統計調査における平成30年1月分調査からの常用労働者の定義の変更及び背景について」 ● 2018年4月20日:厚生労働省「毎月勤労統計調査における平成30年1月分調査からの部分入替え方式の導入に伴う対応について」 ● 2018年8月7日:毎月勤労統計6月分速報値公表(前年比3.8%) ● 2018年8月22日:毎
勤労統計の不正問題が、経済統計への政治介入の疑いに発展してきた。追及の前線に立つ立憲民主党・無所属フォーラムの小川淳也議員は、2月4日の衆議院予算委員会でこう指摘していた。 ”まさにこの15年(2015年)の時期から、きわめて統計に対して、政治家が発言するんですよ。安倍政権のもとで。私に言わせれば、統計に政治の手が入っている。統計が政治化している。 今回、これで無理をした結果、長年、陰に隠れていた不正が明るみに出たわけです。(賃金水準が)異常に高くなったからです。そして、異常に高くなった背景には、こういう、それをそれと気づかせない、隠された意図、隠れた故意で、統計の数字に政治が介入してきた疑惑がある。” この追及はドラマを見ているように迫力があり、国会パブリックビューイングでも2月6日に新宿西口地下で80分にわたって解説つきで紹介した。その時の様子は、こちらの映像でご覧いただける。(※記事
毎月勤労統計の不正調査問題に関し、1月24日に衆議院および参議院の厚生労働委員会において、閉会中審査が行われた。 1月22日に記者会見で公表された特別監察委員会の報告が、厚生労働省職員の強い関与による「お手盛り」の調査だったことが野党の追及により明らかになり、翌25日には追加の調査を実施すると根本大臣が表明する異例の事態に追い込まれた。 政府は現在の特別監察委員会で追加の調査を行うにとどめる方針のようだが、第三者性が担保されていないことが明らかになったこの特別監察委員会ではなく、真の第三者委員会による徹底した事実究明を行うべきだ。 この問題に対し、筆者は国会パブリックビューイングとして1月26日に緊急ライブ配信で国会審議を解説つきで紹介し、その内容を録画でも公開した。 ●毎月勤労統計不正調査問題 #国会パブリックビューイング 緊急ライブ配信(録画) この1月24日の閉会中審査では、今回の調
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