「桜を見る会」前日の夕食会を巡り、東京地検特捜部が28日、安倍晋三元首相を2度目の不起訴としたことに、告発した弁護士らからは「再捜査でどれだけ対象を広げたのか不明で、国民の分からないところで結論が出た」などと失望の声が上がった。
「桜を見る会」前日の夕食会を巡り、東京地検特捜部が28日、安倍晋三元首相を2度目の不起訴としたことに、告発した弁護士らからは「再捜査でどれだけ対象を広げたのか不明で、国民の分からないところで結論が出た」などと失望の声が上がった。
安倍晋三元首相(67)の後援会が主催した「桜を見る会」の前夜祭を巡り、東京地検特捜部は、公職選挙法(寄付の禁止)違反容疑などで不起訴となり、検察審査会から「不起訴不当」の議決を受けた安倍元首相を再び不起訴とする方針を固めた。関係者への取材で判明した。特捜部は再捜査の結果、提供された食事が、会費を上回って寄付に当たると立証するのは困難と判断した模様だ。 不起訴不当の議決は「起訴相当」議決とは異なり、検察審査会が再審査して強制的に起訴する仕組みはない。安倍元首相に対する捜査は終結することになる。
2019年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、元法相で元衆院議員の河井克行被告(58)=1審で実刑判決、控訴中=と、妻の案里元参院議員(47)=1審で有罪確定=から現金を受け取ったとされる地方議員ら100人について、東京地検特捜部は全員を不起訴処分とする方向で調整を始めた。公職選挙法違反(被買収)容疑で刑事告発されていたが、無理やり現金を渡されるなどしており、刑事責任を問うほど悪質性は高くないと判断した模様だ。上級庁と協議して最終決定する。 克行元議員の1審判決によると、19年3~8月、地方議員や首長ら44人、後援会関係者50人、選挙スタッフ6人が案里元議員の票をとりまとめる趣旨で現金を受け取った。最高額は、亀井静香・元金融担当相の元公設秘書の300万円で、次いで元広島県議会議長の奥原信也県議(78)の200万円。1人当たり10万~20万円が多く、最も少ない人で5万円だった。
「桜を見る会」の前日夜に開催された懇親会をめぐる問題で、東京地検特捜部が21日、安倍前総理大臣本人から任意で事情を聴いたことが関係者への取材で分かりました。特捜部は後援会の収支報告書に懇親会の収支を記載していなかったとして、安倍氏の公設第1秘書を年内にも政治資金規正法違反の罪で略式起訴する方向で調整を進めているものとみられますが、事情聴取に対し、安倍氏本人は不記載などへの関与を否定したということで、刑事責任を問うのは難しいと判断しているものとみられます。 「桜を見る会」の前日夜の懇親会をめぐっては、去年までの5年間の費用の総額が2000万円を超え、このうち少なくとも800万円以上を安倍氏側が負担したとみられることが明らかになっています。 しかし懇親会を主催した「安倍晋三後援会」の政治資金収支報告書に懇親会に関する収支は記載されていません。 特捜部は後援会の代表を務める安倍氏の公設第1秘書が
「特捜検察エース中のエース」として鳴り物入りで2017年9月に東京地検特捜部長に就任した森本宏氏(52)に“交代人事”情報が流れている。今からちょうど10年前の2010年に発覚した大阪地検特捜部証拠改ざん事件という不祥事以来、低迷を余儀なくされた特捜検察。「完全復活があり得るなら、この男しかいない」といわれた森本氏は、特捜部長就任以来、期待を裏切らない功績を挙げてきた。その森本氏が特捜部長就任から3年を前に、地方の検事正ポストに栄転するとの情報が入ってきたのだ。 政・官・財の不正に切り込むエース 森本特捜部が手がけた事件は、特捜検察史に大きな足跡を残してきた。リニア中央新幹線の建設工事を巡って大手ゼネコン4社が関与したとされる談合事件、スーパーコンピューター開発者を逮捕した助成金詐欺事件、文部科学省の局長級官僚を次々と逮捕した「文科省汚職事件」(医科大学の不正入試の実態も明るみに出た)、日
案内状には「第24回すがわら一秀後援会連合会練馬東地区バス旅行」と明記してあり、会費はバス代、昼食代、その他込みで1人あたり9500円とある。しかし、 「そんなお金で賄えるわけがありません。毎年、菅原氏は参加者たちから格段に安い会費を集め、集票目的の“接待”を続けてきました。今年に限らず、毎年多額の差額が発生し、そのたびに事務所が補填しているのが実態です」(同前) 会費は(バス代、昼食代、その他込)で9500円 9500円という値段設定は菅原氏の強い意向だという。当時、菅原氏は事務所スタッフらに対し、こう指示を出していた。 「1万円と9500円では聞こえが違う。1万円を超えると人は来ない。1万円以内でもっとオプションを付けられないのか」 「週刊文春」が入手した極秘の内部資料である「ご旅行代金内訳書」を確認すると、行った場所などにもよるが、昨秋のケースでは1人当たり約900~2800円の足が
「週刊文春」が入手したリストはA4用紙3枚にまとめられており、2018年に菅原事務所が地元の新年会などの会合でいくら支出したかが詳細に記録されている。「支払金額」「会費金額」という項目があり、それぞれ「10000」「3000」など、金額の記載がある。 リストについて事務所関係者が解説する。 「菅原事務所では、地元新年会などに参加した際、本来決められた会費以上の金額を町会などに手渡すことが常態化していた。このリストには、そうした“買収工作”の実態が克明に記されています」 リストに記載されていた練馬区内の商業団体の会計担当者が証言する。 「菅原先生は初当選の翌年の新年会から毎年来られています。他の議員の先生方は会費ぴったりの3000円を支払い、同額の領収書を受け取りますが、菅原先生だけは5000円から1万円を置いていく。毎年大丈夫なのかなと心配だったのですが、なかなか『結構です』とは言えません
安倍首相らに対する告発状を提出するため、東京地検に向かう弁護士ら=21日午前10時48分、東京都千代田区 安倍晋三首相主催の「桜を見る会」前夜に開かれた夕食会で、参加した有権者に飲食代を提供するなどしたとして、全国の弁護士や学者ら約660人が21日、公選法違反(寄付行為)と政治資金規正法違反の疑いで、首相と後援会幹部の計3人に対する告発状を東京地検に提出した。地検は受理するかどうか検討する。 弁護士らは「首相が説明責任を果たさず、数の力で真相究明と責任追及が阻まれるという憂うべき状況を打開するため、徹底的な捜査が必要だ」との声明を出した。 夕食会は2018年4月、都内のホテルニューオータニで開かれ、安倍首相の支援者ら約800人が参加、会費は1人5千円だった。
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