東京電力福島第一発電所事故後、福島の放射線管理リスクアドバイザーに就任し、県内各地で講演を行なった山下俊一長崎大学副学長が4日、福島地方裁判所の証言台に立った。「ニコニコしている人には放射能は来ない」という有名な発言について。山下氏は「緊張を解くためだった」と釈明した。 山下氏の証人尋問が行われたのは、通称「子ども脱被曝裁判」。原発事故直後に適切な情報提供がなされず、ヨウ素剤も配布されなかったとして、子どもたちに無用な被曝をさせた責任を求め、福島県の住民らが国や福島県などを訴えたもの。原告らは2年以上前から、「安全キャンペーン」を進めた県の立場を象徴する専門家として、証人として山下氏の招致を求めていた。 福島地方裁判所前に集う支援者(2020年3月4日) この日の裁判所は冷たい雨の日。しかし、山下氏の姿を一目見ようという市民らが詰めかけ、100人を超える人が傍聴券を求めて抽選の列に並んだ。