トラブル続きの東京証券取引所に2月1日、CIO(最高情報責任者)としてNTTデータ・フォース出身の鈴木義伯氏が就任する。 昨年12月に東証の西室泰三社長兼会長が突然発表した「CIOを公募」という異例の人事は、約1カ月であっさり決着したように見える。 だがその舞台裏は、応募者が誰もおらず、西室会長自らNTTに依頼してようやく決まった難航人事だった。しかもNTT内でも「誰もやりたがらない」(NTTグループ幹部)という状況下で、関係者が奔走して決めたドタバタ劇だった。 「これだけ騒がれている取引システムですよ。うまく改善して当たり前だし、トラブルが起きればまた叩かれる。本音は引き受けたくないでしょう」。あるNTTグループ幹部は、鈴木氏の心境をおもんぱかる。 CIOを選任するうえで、西室会長が当初から目をつけていたのが、NTTの人材だった。旧電電公社の伝統を引き継ぐNTTグループは、大規模な公共系