4月26 北の求道者、大いに語る どんなジャンルであれ、プロとして成功するには自分のスタイルを確立することが不可欠といわれます。筆者にはスタイルといえるほど大層な技術はありませんが、まあ長年やっているうちになんとなく「自分の型」のようなものができてきて、そのおかげで続いているのかなと思っています。 研究においてももちろんスタイルというものは絶対に必要で、優れた化学者は反応開発であれ超分子であれ、ゆるぎないスタイルというものを持っているように思います。著者の名前を隠しても誰の仕事かわかるような、強烈な個性を放つ人はやはり一流です。 さて先日、東大薬学部にて谷野圭持・北大教授の講演会を聞く機会がありました。実をいうと筆者にとって谷野教授は、学生時代に大変お世話になった師匠筋に当たる方です。見かけも語り口も十数年前と全く変わらない谷野教授は、こうした講演をさせると全く聴衆をそらすことのない一流の