トラブル続きの東京証券取引所に2月1日、CIO(最高情報責任者)としてNTTデータ・フォース出身の鈴木義伯氏が就任する。 昨年12月に東証の西室泰三社長兼会長が突然発表した「CIOを公募」という異例の人事は、約1カ月であっさり決着したように見える。 だがその舞台裏は、応募者が誰もおらず、西室会長自らNTTに依頼してようやく決まった難航人事だった。しかもNTT内でも「誰もやりたがらない」(NTTグループ幹部)という状況下で、関係者が奔走して決めたドタバタ劇だった。 「これだけ騒がれている取引システムですよ。うまく改善して当たり前だし、トラブルが起きればまた叩かれる。本音は引き受けたくないでしょう」。あるNTTグループ幹部は、鈴木氏の心境をおもんぱかる。 CIOを選任するうえで、西室会長が当初から目をつけていたのが、NTTの人材だった。旧電電公社の伝統を引き継ぐNTTグループは、大規模な公共系
「これまで金融システムの仕事に育ててもらった恩返しができればと、正義感を出して引き受けてしまった」。2月1日付けで東京証券取引所のCIO(最高情報責任者)に就任した鈴木義伯氏は、2月2日の記者会見(関連記事)でこう明かした。 鈴木氏が東証のCIO就任の要請を受けたのは、今年1月初旬。「NTTデータの社長、副社長から話を聞いた。東証の場所がどこにあるかも知らなかったぐらいで、とにかく驚いた」。 要請を受けるかどうかについては、「プラスでない面で注目されている東証だけに、迷いに迷った」(鈴木氏)。だが結局、冒頭のような理由で就任を決断したという。「NTTグループが全面的にバックアップするということもあり、引き受けた」(同)。 鈴木氏は、NTTデータがアウトソーシングを請け負う横浜銀行のシステム業務を請け負う「NTTデータフォース」の出身。金融システムの開発に長く従事してきたが、銀行関係のシステ
東京証券取引所は1月31日、ジェイコム株の誤発注を取り消しできない不具合が昨年12月8日に発覚したことを受け、その原因の調査結果を発表した。富士通が開発した業務アプリケーションの不具合が直接の原因。「特殊な条件下で発生する事象のため、東証がテストで発見できなかった」(西室泰三社長兼会長)という。 12月8日に発生した不具合は、みずほ証券がジェイコム株を61万円で1株売りに出すところ、誤って1円で61万株の売り注文を出してしまったことに端を発する。みずほ証券は誤発注を取り消そうとしたが、東証の売買システムに不具合があり、取り消しができなかった。結果的に、みずほ証券では400億円以上の損失が発生した。 東証は、「『みなし処理』がかかった注文に対する取消注文の検索プログラムで、判定条件の一部が適切に開発されていなかった」(西室社長兼会長)と説明する。みなし処理とは、新規上場株で売買の値幅制限がな
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