ストレスを受けやすいのは上流?下流? さて、ストレスをめぐる社会的価値観の問題に戻ろう。ここで紹介したタイプA行動パターンなるものが、科学的価値としては問題点のある研究であるにも関わらず、なぜ語り継がれているのか。その背景には、社会的に評価されて成功した「勝ち組」がじつは病気になりやすいという逆説的な意外性があるからではないか、と思われる。つまり“がむしゃらに競争して働いても、ストレスで病気になるなら意味がない”というスローライフ的な価値観に訴えるところがあるのだ。日本を含めた先進諸国では、所得が低くても社会福祉があるため、ふつうは貧困そのものが原因で生命に関わること(たとえば餓死)はないとされている。それならば、所得はともかく「自分らしく」生きていきたいという考え方の人々には、タイプAではない生き方がぴったりくるだろう。 だが、最近のロンドン大学の公衆衛生学者マーモットによる研究で
今日の朝日新聞朝刊(2月10日付)オピニオン面では、経済学者二人(大竹文雄、橘木俊詔)が、格差社会の現状や要因を分析し政策提言をしていた。格差は拡大しつつあり、その要因としては、所得税の累進度の緩和(最高税率が70%→37%)やマル優の廃止、相続税率の引き下げがあり、税による所得再分配効果が弱いという事と最近の労働市場における非正規労働者の増加や能力・実績主義における賃金格差がある。格差が固定され、世代を超えて連鎖し階層化して、教育や職業選択の機会不平等につながらないような社会保障政策、つまりスタート地点は平等にする事が必要である。大竹教授も橘木教授も格差社会が固定されないように、相続税の引き上げには賛成していますが、所得税の累進度の緩和に関しては、谷垣財務相が他のOECD諸国とほぼ変わらないと主張していることから、ともに触れていません。規制緩和が格差を拡大したという点に関しては、大竹教授
NHKの『日曜討論』で与野党若手議員の討論があった。格差社会をめぐる議論を聞いていて不思議に思った。社民党の辻元清美が「結果の平等以前に、機会の不平等があるのではないか。給食費を払えない子どもが増えているし、月十万円以下でやりくりしている家庭がある一方で、何万円もかけて塾に通っている子どももいる。そもそもスタートラインから違う」という趣旨の発言をし、また小泉総理の「成功した人を妬むのはよくない」と発言した姿勢を批判した。 与党からは「小泉内閣以前から非正規雇用が増えている。かつてのような『ほどこしの政治』はよくない。改革はまだ途上だ」などの発言があったが、生活保護受給者は「ほどこし」を受けている人たちなのだろうか。「努力した者が成功できる社会」というセリフは「勝ち組」が得意とする言い方だ。努力するもしないも、最初からスタートラインが違うという「格差」を認めたくないという論調は、政治家の育ち
みずほフィナンシャルグループは2019年3月にデジタル通貨を発行することを決めた。買い物の決済などに利用でき、デジタル通貨をやり取りする送金手数料を無料とする。サービスを利用できる加盟店に対しては…続き メルカリ・LINEが巻き起こす新風ブロックチェーン [有料会員限定] キャッシュレス先進国スウェーデンの光と影 [有料会員限定]
リポート: 2006年、若者の二極化は一層深刻化する ~“コミュニケーション能力”が明暗を分ける~ 日経BP主要各誌が占う2006年の展望(2) バブルがはじけて以来、企業はコア人材と派遣・パートの区別を鮮明に打ち出し、その波に若者が巻き込まれている。現在景気回復による雇用回復傾向にあるが、この傾向は今後も一層はっきりするだろう。その両者の差を分ける最大のポイントは「リーダーシップ」や「チームワーク力」といった「こころの能力」だ。今後は学校教育でもこの部分を鍛えていく必要があるのではないか。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く