以下は前二回のエントリの続きです。 http://d.hatena.ne.jp/kaikaji/20061123 http://d.hatena.ne.jp/kaikaji/20061125 ・・さて、今まであまり深く考えずに、世界のコーヒー価格が上昇(下落)すれば、コーヒー農家はそれに対して反応し、生産量を増やす(減らす)だろう、ということを前提に議論を行っていたが、果たしてそれは本当に正しいだろうか? この点を考えるにあたっては途上国の小農の行動を分析するための標準的な手法である「ハウスホールド・モデル」が有用となるだろう。農家は固定資本と流動資本を投入して利益最大化を図る「企業家」としての側面を持ちながら、同時に消費者として効用最大化を図る存在でもある。この二つの側面を合わせて考えることにより、一見利潤最大化原則とは矛盾するように思える農家の経済行動を合理的に説明しよう、と言うのがハ