特許権の無効判断において審決取消訴訟と侵害訴訟が果たすべき役割 早稲田大学大学院法務研究科教授,高林 龍氏が指摘 近年,特許法104条の3の導入や知的財産高等裁判所(知財高裁)の権限強化に伴い特許庁の審決に対する取消訴訟と,特許権侵害訴訟の関係性,いわゆる「ダブルトラック」に注目が集まっている。こうした現状について,早稲田大学知的財産法制研究センター(RCLIP)センター長で大学院法務研究科教授の高林 龍氏は,「手足を縛られた審決取消訴訟と自由な特許侵害訴訟」という構図の存在を指摘し,従来の判例や実務に即した両者のあるべき姿を提示した。本記事は,2006年1月31日に開催されたRCLIP研究会における,同氏の発表の要約である。 手足を縛られた審決取消訴訟と自由な特許侵害訴訟 2004年に特許法104条の3(無効の抗弁)が導入されて以来,特許の無効判断に関しては,「手足を縛られた審決取