経営にはアイデアが必要だ。社長自身が「アイデアマン」であれば、実行までのスピードも早い。だがそれが続くと大変なことになる。経営コンサルタントの小宮一慶さんは「アイデアが豊富な社長は、部下の成長の芽を摘んでしまい、結局会社を潰してしまう」という。リーダーが本来果たすべき役割とは――。 会議でバレる、一流の企業vs三流の企業 私は経営コンサルタントとして社外役員や顧問をしている会社の取締役会や経営会議に定期的に出席します。その際に、社長がずっとしゃべり続けているケースがあります。会議が、社長の「独演会」のようになっていて、他の出席者は黙ってそれを聞いている。そんな光景です。 そうした社長はワンマンタイプが多く、ひとりでどんどんアイデアを述べます。表面的には「部下任せにせず陣頭指揮を執って、会社を引っ張っていく」とも受け取れます。しかし経営コンサルタントの大先輩の一倉定先生(5000社超の企業を