セルフサービスで安いドトールコーヒーが旧来の街の喫茶店を駆逐し、さらにお洒落なスターバックスが上陸すると、喫茶店は多様化してスタイリッシュになった。その一方で、年配の人たちが気兼ねなく入れる喫茶店がなくなってしまう懸念があった。そこに登場したのが、セルフサービスではなく昔の喫茶店を彷彿させる、フルサービスのコメダ珈琲店だ。コメダは郊外に広いスペースを確保し、間仕切りと大きめのソファで心地の良い場所をお客さんに提供した。しかも分かりやすいメニューと、パンメニューを中心としたボリューム感のある飲食で、幅広い客層を確保したのである。 著者は現在の社長や創業者にインタビューし、街の小さな喫茶店がなぜ東証一部上場できるまでになったか、その経営手法を聞き出している。それによると、喫茶店激戦区の名古屋で生き残るため、経営効率重視ではなく常にお客さん目線でサービスを提供し続けてきたとのことだ。従業員教育を