日本には、地方紙を中心にオーナー家が大きな力を持つ新聞社が少なくない。その1つが、創刊140年あまりの歴史を持つ京都新聞だ。源流は明治12年(1879年)創刊の「京都商事迅報」。大政奉還の12年後には早くも初号が世に出ていたことになる。 京都新聞は2014年、地方紙として最初に持株会社方式を取り入れ、京都新聞ホールディングス(HD)を発足。新聞を発行する京都新聞社は、子会社としてHDの下にぶら下がる形となった。 発覚のきっかけは2019年に始まった経営資源の見直し HDや京都新聞社の関係者によると、特定株主への利益供与を禁じた会社法120条違反の資金流出問題が発覚したきっかけは、2019年にHDで始まった経営資源の見直しだった。 「Yahoo!ニュースやSNSに押され、新聞事業はどこもジリ貧。厳しい経営を立て直し、明確な将来ビジョンを探るため、グループ全体の経営見直しが始まった。ところが、