「彼女の取った行動についてどう思いますか?」 先日、アメリカの『TIME』が「世界で最も影響力のある100人」を発表し、2年連続で選出された大坂なおみ。 大坂は全米OPに人種差別の暴力などで犠牲になった黒人の名前が書かれたマスクをして臨んだ photo by Kyodo News 9月にニューヨークで行なわれた全米オープンには、警官や人種差別の暴力によって犠牲になった7人の黒人の名前をマスクに記して臨んだ。 その理不尽な死を風化させてはいけないと全米オープンの初戦に連れ添った名は、女性救急救命士のブレオナ・テイラー。自室にいきなり押し行って来た警官にその場で射殺されたにも関わらず、この事件に関わった警官たちは誰ひとり罪に問われていない。 以降、職質中に路上で抑えつけられて圧死させられたエライジャ・マクレーン。ジョギング中に白人親子にショットガンで撃たれたアマッド・アーバリー。白人男性との口
前回更新分の当欄コラムで、『13th -憲法修正第13条-』というNetflix制作の無料配信動画をご紹介したところ、その動画を見たという人々から様々な反響が寄せられた。 大部分は、 「見る価値のある映画だった」 「合衆国の歴史を見る目が変わった」 という感じのポジティブな反応だったのだが、一部には 「内容が一方的だ」 「プロパガンダ臭が強すぎる」 といった見方を伝えてきた人々もいる。 私個人としては、あの動画を「プロパガンダ」と断定してしまう評価には共感できないのだが、それはそれとして、自分の中に無い視点から作品を読み解く解釈を知ることができたのは収穫だった。ひとつの作品を、ネット上に散在する不特定多数の人々とともに同時視聴する経験の貴重さに、感銘を受けた。 ただ、作品の評価とは別に、先日来アメリカで吹き荒れているBLM(Black Lives Matter)の運動について、 「ここ10
朝鮮人殺しには甘く、警察への反抗には厳しかった検挙方針 「ご褒美」を求めて警察に出頭した加害者たち 冗談と笑いが飛び交う法廷 町村ぐるみの減刑運動、そして恩赦 朝鮮人殺しには甘く、警察への反抗には厳しかった検挙方針 震災からある程度の時間が経過し、朝鮮人による暴動というのが根も葉もない流言に過ぎなかったことが明白になると、何の罪もない朝鮮人たちを官民一体となって虐殺しまくったという事実に向き合わざるを得なくなる。こうした不都合な現実に直面したとき日本政府がやることは昔も今も変わらない。事実の歪曲と隠蔽である。 これだけの虐殺事件が起きた以上、法治国家のふりをするには加害者を裁判にかけて処罰せざるを得ない。しかし、やり過ぎると、官憲自身が流言を流して民衆を扇動したことや、軍隊や警察が自ら虐殺に手を染めたことを暴露されて政府が窮地に陥る結果にもなりかねない。 そこで、臨時震災救護事務局警備部司
アマード・アーベリーさんが殺害された事件で逮捕されたグレゴリー・マクマイケル容疑者(左)と息子のトラビス容疑者。ジョージア州ブランズウィック・グリン郡保安官事務所提供(撮影日不明)。(c)AFP PHOTO / Glynn County Sheriff's Office 【5月9日 AFP】米南部のジョージア州当局は8日、非武装でジョギングしていた黒人男性が2月に殺害された事件の容疑者として白人の父子2人を逮捕・訴追し、「十分過ぎるほどの相当の根拠」があると述べた。しかし、容疑者らの逮捕に事件発生から74日かかった理由については説明しなかった。 逮捕されたのは、グレゴリー・マクマイケル(Gregory McMichael)容疑者(64)と息子のトラビス(Travis McMichael)容疑者(34)。両容疑者は、2月23日に死亡したアマード・アーベリー(Ahmaud Arbery)さん(
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相模原殺傷事件について語るれいわ新選組の木村英子参院議員=東京都千代田区の参院議員会館で2020年1月6日、藤井太郎撮影 「彼だから事件を起こしたとは思っていない」――。2016年、相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で障害者19人が殺害され26人が負傷した事件について、重度の身体障害がある木村英子参院議員(54)=れいわ新選組=はそう語る。木村氏自身も19歳までの大半を施設で過ごし、職員から虐待やいじめを受けてきたという。8日に始まる植松聖被告の裁判員裁判を前に何を思うのか。入所施設がはらむ課題と障害者差別について聞いた。【聞き手・塩田彩/統合デジタル取材センター】 「私だったかもしれない」 ――相模原事件の発生を何で知りましたか。 ◆テレビのニュースで知りました。「ああ、起こってしまった」というのが最初の印象でした。ニュースを見て、自分が施設にいた時の光景や、虐待を受けた時の記憶が
『帰ってきたヒトラー』、おかげさまで小説も映画も予想をはるかに超えるヒット作となりました。この展開には原作出版の河出書房新社さんも映画配給のギャガさんも心底驚いた、というのが正直なところです。それだけ、本当に時代が要求していた作品だったのだろうと思います。 今回私は、かなり積極的に本作の広報活動に関わりました。取材を受けたり映画公式HPに特設ページを追加したり、そしてネット/リアルの反響を分析したり。 ことに本作は世間全体からのリアクションが大きかったので、今ちょうどホットな話題になっている「歴史認識」や「民主主義」をめぐる社会的認識の「断面」を概観できた感があります。 『帰ってきたヒトラー』に対する反響でまず印象的だったのが、保守層もリベラル層も同様に前向きな興味を示した点です。普通はスパッとどちらかに偏りがちなのです。そして、特にオタク的素養を持った知識人・趣味人の皆様が、「ついに来る
悪化する日韓両政府の関係とともに、「嫌韓」をあおるような報道や出版が相次いだことを受け、マイノリティの人権保障などに取り組むNPOなどが9月12日、抗議声明を発表した。 いま日本社会を覆う「嫌韓ムード」や、それに起因する差別で傷ついていたり、恐怖を感じたりしている人たちがいるとし、政府やマスコミに対してこうした事態を「まず持って終わらせるよう」に求めた。 会見では、実際に在日コリアンの人たちが直面している現実も紹介された。 声明を出したのは、「NPO法人移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)」「外国人人権法連絡会」「人種差別撤廃NGOネットワーク(ERDネット)」「のりこえねっと」の4団体。 声明では「韓国に対する日本政府の対応やそれと連動した報道や出版が、日本社会の中にある『嫌韓感情』を焚き付け」ていると指摘。在日コリアンをはじめとした移民やマイノリティの多くが「テレビや出版物、イン
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