2019.05.10 08:05 日本にはもっとロルカが必要だ!~「生産性のない」人々の物語『イェルマ』 皆さんはフェデリコ・ガルシーア・ロルカをご存じですか? 1920年代から30年代にかけて活躍したスペインの著名な劇作家・詩人ですが、同性愛者で革新的な考えの持ち主であったため、1936年、スペイン内戦の最中にファシストに暗殺されました。三島由紀夫や天本英世がロルカ好きとして知られていたので、以前はかなり知名度の高い作家だったのですが、最近は名前が目に触れる機会が少なくなっているかもしれません。 ロルカは多数の詩を残した他、『血の婚礼』『イェルマ』『ベルナルダ・アルバの家』という3つの悲劇を書いており、どれも今なお上演される人気作です。ロルカというと生まれ故郷であるアンダルシアの風土に根ざした土着性、象徴性、激しい情熱などがよくとりあげられますが、この記事で私が論じたいのは、ロルカの戯曲