ギネスに表彰されたジャニー氏 こう語るのは、写真の少女、「今では立派な高齢者」と笑う日系アメリカ人二世のフランシス・ナカムラさん(83)だ。 「でも、ジャニーさんのお父さん、諦道(たいどう)さんのことは憶えていますよ」 高野山真言宗の僧侶だった諦道は、戦前の1924年に渡米し、米國別院の住職を務めた。また私生活では、滞米中に妻、江以との間にジャニーを含む3人の子に恵まれた。喜多川一家は1933年に日本に帰国したが、諦道の跡を継いだのがフランシスさんの父、高橋成通だった。 「1960年に、父と日本旅行した時でした。大阪の繁華街の小路に甘味処のような小さなお店があって、そこに諦道さんがいらしたんです。ご自分で善哉を作って出してくれたので、私はごく普通の店主かと思ったの。後で父から、あの方が前住職だったと聞いて驚いたくらい、お坊さんには珍しいフレンドリーな態度が印象的でした」 事実、諦道は気さく