ハマス・イスラエル紛争において、我々は「ハマスかイスラエル、どちらの強硬派につくか」という選択に囚われるべきではない。原理主義者に与することなく、解決に向けた道を探ることはできるのだと、哲学者スラヴォイ・ジジェクは主張する。 ハマスがイスラエルに対しておこなった暴虐は、「もし」も「しかし」もいっさいなく、無条件に非難されるべきである。 イスラエルの各市やキブツ(イスラエルに特有の経済共同体)、野外音楽フェスの会場で起きた市民の虐殺、強姦、誘拐はポグロム(ユダヤ人大量虐殺)であり、これによりハマスの真の目的が、イスラエルという国家と全イスラエル人の撲滅にあることが確認された。 そのうえで、現状の歴史的背景を検討する必要がある。ハマスによる攻撃について、どんな種類の正当化もすることなく、これから進むべき道をはっきりさせるためだ。 「神権政治国家」になりつつあるイスラエル 第一に考慮すべきは、ほ