防衛省の管理簿に登録されている文書ファイル名が抽象化され、国民が検索しにくい状態になっていることが明らかになった。同省で文書管理を担当する職員が匿名で取材に応じ、「情報公開に後ろ向きな省内の空気が背景にある」と証言した。職員もファイル名から文書が見つけられないことがあり、職場のずさんな管理の温床になっているという。【大場弘行、片平知宏、日下部聡】 「提案したファイル名が抽象的な表現に変わった」。職員は証言する。装備品の資料をとじたファイルを管理システムに登録するため、装備品の名称を使ったファイル名の原案を上司に提出した。しかし「行政文書ファイル管理簿」に登録されたファイル名は「報告書」など具体性のないものになっていた。「上の指示」により変更されたと後に聞いた。