新築物件のようなモデルルームを、賃貸物件でも低コストに―。明治大学理工学部建築学科の園田眞理子教授の研究グループは、賃貸住宅の空き部屋に設置する段ボール製家具の設計を手がけている。家具の種類は机やベッドなどさまざま。実際に家具としては使用できないが、部屋を内見する際に生活をイメージしやすい製品として好評だ。 設計・開発に関して園田教授が協力しているのが、不動産会社の第一ハウジング(川崎市幸区、加藤豊社長)。連携のきっかけは、川崎市の住宅政策審議会で同社の加藤豊社長と園田教授が知り合ったことだった。 加藤社長はもともと、空き物件に家具などをコーディネートする演出手法「ホームステージング」に注目していた。しかし、家具の搬入や搬出などにコストや手間がかかるのが難点だった。 そこで園田教授に相談したところ、段ボールで家具を製作することによって低コスト化や搬入作業の効率化につなげる手法の提案を受けた