半年ぶりに東京に出張した。取引先のアパレルと2015年の企画デザインなどで打ち合わせのためだ。アベノミクスで景況感は良くなっているように見えるが、マーケットの動きは今イチと多くのアパレルが思っている。 ただ、当方はじめ服作りに携わる人間は、徐々に制作意欲がかき立てられ、国産の生地や縫製によるクリエーションが勢いを盛り返している。 まだまだマスマーケットは、グローバルSPAやファストファッションが幅を利かすが、それに嫌気がさし始めた人々がクリエーションへ向わせる日が必ず来ると信じたい。 では、アパレル側が本腰を入れて作った商品を、一体どんな「小売り」が仕入れてくれるのか。その話をすると、取引先アパレルの社長がこう言い放った。「東京にセレクトショップはないからね…」。なるほどである。 真意を説明するとこうだ。東京に本拠を構え、ネームバリュウをもち、規模の拡大を追求し、ネット販売の環境も整備して