心身の状態が悪くなるばかりの老親。介護の努力の多くは、残念ながら報われない。その結果、寄り添ってケアする者も追い詰められていく――。 親を敬愛する心が、完全に失われる日 介護ドキュメント(http://president.jp/articles/-/12179)の項でも書きましたが、私が父の介護をし、看取った時、「介護は悲しい努力だな」とつくづく思いました。 希望に向かってする努力、何か明るい結果を求めてする努力は、やり甲斐があるものです。親の介護が始まった時は、介護をする側も気が張っていますし、よりよい介護をすれば親の状態が良くなるのではないかという思いもあって、そうした前向きの努力をします。ケアマネージャーにアドバイスを求めたり、本やネットで情報を集めたりするなど、よい結果を求めて介護の知識や技術を身につけるわけです。 実際、その努力が報われるケースもないわけではありません。 適切な介