助けを求めなくても助けてもらえる立場 【澁谷】平山さんは、ある論考(※)で、「弱音を吐けない男らしさ」に縛られ、助けを求めることができない男たちについて、なぜ「絶滅せずに生き抜くことができたのか」という問いを発しています。どうして「生き抜くことができたのか」、教えていただけますでしょうか。 ※「「男ゆえの困難」の何が問題か」、信田さよ子編著『女性の生きづらさ その痛みを語る』(日本評論社、2020年)所収 【平山】ひと言で言ってしまうと、助けを求めなくても、助けてもらえる立場にあるからです。身の回りのことをやってもらったり、気を遣ってもらったりといったことも含め、有形無形の支えのことを、ソーシャル・サポートと言いますが、このソーシャル・サポートは、健康状態や寿命の長さと関連していることがわかっています。 男性は一般的に、ソーシャル・サポートを得られるような私的な関係が少なくて、だから健康も