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国家基本問題研究所に関するkanoetatsuのブックマーク (24)

  • 【第1110回】GDP偽装を見抜き、脱中国に徹せよ

    中国の習近平政権は、2023年の国内総生産(GDP)の成長率が名目4.6%、実質5.2%で、実質5%の目標を達成したと発表したが、信憑性はどうか。 中国のGDP統計はかなり前から、各地方の党幹部が党中央の掲げる成長率目標に合わせようとして、データを改ざんするという疑惑が消えない。そこで、GDPに大きく影響する不動産投資、純輸出、家計消費に関連するデータから、GDPの伸び率を筆者なりに粗計算してみた。 ●実態はマイナス成長か 不動産投資自体はGDPの10%以上を占めるが、電気製品など関連需要を含めると、その約3割になる。2023年の不動産投資は前年比16.7%減なので、関連需要込みで5%近くGDPを押し下げる計算になる。 輸出から輸入を差し引いた純輸出はGDPの3%以上を占める。2023年1〜11月合計の前年同期比は32.3%減で、1%程度GDPが減る。不動産関連と合わせると、6%程度のGD

    【第1110回】GDP偽装を見抜き、脱中国に徹せよ
  • 【第1107回】自衛官の靖国参拝を制限するな

    1月9日、陸上幕僚副長ら自衛官数十人が靖国神社を参拝した。多くのマスコミや共産党はじめ左翼政党はこの参拝を、昭和49年11月19日の防衛事務次官通達に違反する可能性があり、憲法20条及び89条の政教分離の規定に違反するのではないかと批判してゐる。 次官通達には、「神祠、仏堂、その他宗教上の礼拝所に対して部隊参拝すること及び隊員に参加を強制することは厳に慎むべきである」とある。この規定は、国の伝統、習俗、他国との比較を無視し、靖国参拝を頭から否定しようとする議論であり、自衛隊違憲論と同様に、敗戦後遺症とでもいふべきものである。 ●撤廃されるべき次官通達 そもそも政教分離規定は、国家は宗教とどんな関はりも持つてはならないとする厳格分離説に立つべきではなく、特定の宗教を国教としないことなどを定めたものだと解釈するべきなのである。 自衛官は国を守るために場合によつては命を投げ出す存在であり、一方靖

    【第1107回】自衛官の靖国参拝を制限するな
  • 「天皇・祭祀・神社」 茂木貞純・國學院大學教授

    4月26日、国基研企画委員会は、ゲストスピーカーとして、神道学者で國學院大學教授の茂木貞純氏を招き、天皇・祭祀・神社についての勉強会を開催し、意見交換した。 茂木教授はまず、日列島の特色と独自文化の発展について、1万5千年前に縄文文化が栄えてから独自の文化を継承・発展させてきたことを強調した。それと同時に、日固有の神話が形成されて、国の誕生から皇祖皇宗の系譜に従い、宮中祭祀を概観した。 古事記や日書紀の記述をもとに、国生み神話、天岩戸神話が始まり、神武天皇東征伝承に至り、奈良の橿原の地で、初代天皇として神武天皇が即位することにより、万世一系が確立する。その過程において、天照大神から三大神勅が下され、宮中祭祀、三種神器、稲作などの国の基が定まったという。 歴代天皇は、宮中祭祀を重要視してこられた。例えば、第36代孝徳天皇の御代で天皇治政の方針は「先ず以て神祇を祭鎮めて、然して後に政事

    「天皇・祭祀・神社」 茂木貞純・國學院大學教授
  • 【第1088回】「帝国の慰安婦」無罪判決の二つの意味

    10月26日、韓国最高裁判所は朴裕河・世宗大学名誉教授の著書『帝国の慰安婦』の記述は「学問的主張ないし意見表明」であって名誉毀損罪で処罰される「事実の摘示」と見ることは困難だとして、罰金1000万ウォン(約110万円)を宣告した2審判決を無罪趣旨で破棄し、高裁に差し戻した。学問の自由の観点から歓迎したい。 ●学問の自由を重視 朴氏は2013年に韓国で『帝国の慰安婦』を出版した。それに対して仏教系の慰安婦支援組織ナヌムの家に居住する元慰安婦9人が2014年6月にソウル地裁に販売禁止仮処分申請と名誉毀損民事訴訟を起こし、同時に検察に名誉毀損罪で告発した。 ソウル地裁は2015年2月仮処分申請を認めて同書を販売禁止とし、原告が求めた53カ所のうち34カ所について削除を命じた。(現在、韓国で販売されているのは削除を行った後の修正版であり、2014年日で出版された同書も修正版を元に、さらに著者によ

    【第1088回】「帝国の慰安婦」無罪判決の二つの意味
  • 【第1063回】靖國神社の御霊に応えよ

    岸田文雄首相が5月7日から2日間、韓国を訪問した。報道によると、政府専用機でソウルの韓国空軍基地に降りて、裕子夫人と共に、韓国の歴代大統領や朝鮮戦争の戦死者などを追悼する国立墓地「国立ソウル顕忠院」を訪れ、顕忠塔に献花して焼香を行い、黙祷を捧げた。首相は帰国前の記者会見で、「シャトル外交を再開して、日韓両国の信頼関係を強化し、新しい時代を切り開く」と述べている。 この報道を見て、日韓の信頼関係強化よりも、自国のために命を捧げた英霊に礼を尽くすという普通の国として当たり前のことに日も目覚めるチャンスを首相が韓国で与えてくれて、嬉しかった。 ●外国高官・軍が当然訪問する国立墓地 政府高官や軍艦の訪問国での行動計画は、国際慣例として訪問国側が作成する。岸田首相の韓国での行動も、韓国の計画に依ったものと思う。そしてどこの国でも、その行動計画に必ず入れるのが国立墓地参拝だ。 海上自衛隊の艦艇も、毎

    【第1063回】靖國神社の御霊に応えよ
  • 【第1055回】円安のメリットを活用せよ

    最近、1ドル=140円台の円安傾向が続いている。この円安が輸入品価格の上昇や、国内物価を外貨に換算した場合の「チープ・ジャパン」をもたらしているとの自虐的な批判も見受けられる。日銀の低金利政策が円安の一因になっているとして、低金利政策の修正や撤廃を主張する意見もある。 しかし、最近の円安の実態を見る限り、これらの批判や主張は的外れであり、これまで30年にわたって日経済を苦しめてきたデフレや長期停滞から完全に脱却するためには、円安のメリットを最大限活用する必要がある。 ●日経済再生に寄与 円安は、原材料等を輸入する企業にとってはコスト増となるが、輸出企業には増益を生む。グローバルにビジネスを展開する日企業にとっても、連結決算時に外貨建ての海外所得を円建てに換算することによって利益が拡大するので、収益増に大きく貢献する。 これまでの長期にわたるデフレによって、国内総生産(GDP)を構成す

    【第1055回】円安のメリットを活用せよ
  • 【第1057回】北朝鮮で飢饉、死者続出

    北朝鮮では今、すさまじい糧難が発生し、首都平壌を含む全国で餓死者が続出している。軍将校、安全員(警察)、保衛員(政治警察)の家族への糧配給が昨年11月頃から止まり、今年6月からは人への配給も止まった。兵士も乏しい事で飢えている。このような飢饉の状況を日韓国のマスコミはほとんど伝えていない。 韓国には北朝鮮内部と随時連絡を取っている脱北者人権活動家らがいる。北朝鮮向け短波ラジオを主宰する金聖玟自由北韓放送代表もその1人だ。金代表が7月初め、北朝鮮内部の複数の情報源から聞いた飢饉の状況を紹介する。 ●崩壊した糧配給制 北朝鮮では1995年から98年頃までに300万人以上が餓死した。それを「苦難の行軍」と呼んでいる。その後、糧配給制は完全に崩壊した。2002年7月、金正日政権は配給所に米が回ってくるようにしようと、米の国定価格を実態に合わせ、1キロ当たり8銭(0.08ウォン)から

    【第1057回】北朝鮮で飢饉、死者続出
  • スターリンの先例から読み取れる習主席の思惑 江崎道朗(評論家)

    中国の習近平国家主席は3月20、21の両日、モスクワでロシアのプーチン大統領と会談した。習氏の訪ロは昨年2月のロシアによるウクライナ侵攻後で初めてだ。なぜ習氏は今回「中ロは結託している」と批判されることが分かりながら敢えて訪ロに踏み切ったのか。それも2日間で10時間以上、対面で話し合ったということから、よほど重要な案件があったと考えるべきだろう。 その重要な案件とは何か。 今回の首脳会談では改めて「中ロ連携」を確認したことになっているが、問題はその「連携」の中身だ。両首脳は包括的戦略パートナー関係深化と、2030年までの経済協力発展に関する二つの共同声明に署名した。要は中ロの関係強化、特に経済協力の発展で合意したことになるが、それが何を意味するのか、さらなる情報収集と分析が必要だ。 金日成の南侵を許可したソ連の戦略 というのも、ロシア中国も極めて戦略的な「秘密外交」を展開する国だからだ。

    スターリンの先例から読み取れる習主席の思惑 江崎道朗(評論家)
  • 【第31回】朝鮮高校の無償化を許してはならない

    国基研評議員 荒木和博 元教員がヘロイン密輸を計画 福井県小浜市から地村保志さんと浜(現姓地村)富貴恵さんが拉致される3日前の昭和53年7月4日、在日朝鮮人青年Aが成田空港で逮捕された。大量のヘロイン密輸事件だった。この事件は、広島朝鮮高校教員で朝鮮青年同盟県委員長でもあった金徳元という在日朝鮮人が計画したものである。Aの弁護人になったのが川人博・現特定失踪者問題調査会常務理事だが、川人弁護士によれば、Aは極めて真面目な青年だったといい、著書『金正日と日の知識人』(講談社現代新書)にもその時のことが書かれている。 この事件は教員という立場を悪用したものである。金徳元は事件発覚後、全国指名手配されたが、逮捕されなかった。北朝鮮に密出国した可能性も考えられる。そして、Aと、金徳元の教え子でAにパスポートを提供した元在日の青年の2人に、すべての刑事責任が押しつけられた。 学校が犯罪の拠点に

    【第31回】朝鮮高校の無償化を許してはならない
  • 【第997回】日銀と政府は賃上げ機運に冷水をかけるな

    日銀は12月20日、長期金利の変動許容幅を従来の0.25%程度から0.5%程度に広げた。円安の行き過ぎを直すためだが、アベノミクスの主柱である異次元金融緩和解体の始まりで来年には利上げに転じるとの憶測を招いた。財政の方は、岸田文雄政権が2年後以降の防衛増税を企図している。利上げと増税は、民間の景気回復期待を萎えさせ、来春闘での賃上げ機運に冷水を浴びせる。日銀と政府は、内需がしっかりとした回復軌道に乗るまでは金融緩和と機動的な財政出動を堅持する決意を明確に打ち出すべきだ。 ●「黒田後」に利上げ観測も 黒田東彦日銀総裁は記者会見で「利上げではない」と言い切ったが、市場の長期金利上昇圧力を払拭できない。「量」の面でも異次元緩和の軌道修正の印象が否めない。日銀資金発行残高が縮小基調にあるからだ。 市場の思惑を大きく突き動かす背景は、黒田総裁が来年4月に任期終了を迎えることだ。後任候補で有力視される

    【第997回】日銀と政府は賃上げ機運に冷水をかけるな
  • 「対日占領政策と神社神道」 大原康男・國學院大學名誉教授

    国基研の理事も務める大原康男・國學院大學名誉教授は、7月26日、定例の企画委員会におけるゲスト講師として、戦後、祭祀を中心とした神社神道が多大な影響を被った進駐軍の対日占領政策の一つ「神道指令」について語り、参会者と意見を交換した。 GHQの基方針「降伏後ニ於ケル米国ノ初期対日方針」(1945.9.6)によると、その目的は日の脅威とその排除にあった。具体的には、軍事的には陸海軍の解体、政治的には憲法改正、経済的には財閥解体、そして精神的には教育制度の改革、などにより行われた。特に教育制度は、日が脅威となる源は日人の心の中にあり、それが軍国主義(ミリタリズム、戦争賛美思想)と超国家主義(ウルトラナショナリズム、民族的優越感)だったという筋書きをもって、これを排除するため、GHQの民間情報教育局(CIE)が、教育の4大指令を発出する。 たとえば、教育制度や仕組みを徹底的に管理する、教員

    「対日占領政策と神社神道」 大原康男・國學院大學名誉教授
  • 遺骨の取り違えはなぜ起こったか(下) 渡久地政見(団体職員)

    米国では、星条旗のもと、戦地で散っていった人々を一人残らず、国が責任をもって遺族のもとへ返す。米国防総省の捕虜・行方不明者調査局(DPAA)は、アメリカの遺骨収集の専門機関である。 人類学者、遺骨鑑定人などの各種スペシャリストをスタッフとして揃え、軍を動かし、数十名規模で現地に派遣して遺骨収集を行う。その場でアメリカの軍人・軍属であることが判明すれば、焼骨せずにそのまま持ち帰る。その後はアメリカの研究機関で最新の技術を用いてDNA鑑定し、身元が特定され次第、遺骨は遺族のもとへ返される。DPAAとして知り得た情報はすべて開示されている。 ●態勢すべてで歴然の日米格差 一方、日は、厚労省の担当職員をチーフに、派遣されるのは通訳者、民間人を含め5名から10名ほどだ。派遣されるメンバーは事前研修で、骨は大人か子供か、男か女か、アジア人か欧米人かなど、おおざっぱな特徴や獣骨との違いなどについて学ぶ

    遺骨の取り違えはなぜ起こったか(下) 渡久地政見(団体職員)
  • 遺骨の取り違えはなぜ起こったか(上) 渡久地政見(団体職員)

    厚生労働省の派遣団が日人のものとして収集した遺骨のうち、取り違えた疑いがあるにもかかわらず、公表すらされていなかったケースが相次いで明らかになっている。根匠厚生労働相は「手続きは適正に行われていたが、結果として鑑定結果に違いが出ている」と事実を認めたものの、開き直りともとれる発言に遺族からは憤りの声が強く上がっている。こうした事態がなぜ起きるのか、遺骨収集に参加した自身の経験から改めて考えてみたい。 ●遅すぎたDNA鑑定の導入 先の大戦中に戦地で亡くなった戦没者は沖縄を含め約240万人。そのうち今もなお半分近い約112万柱の遺骨が沖縄や硫黄島といった日国内を含め、海外の広漠とした大地や太平洋の島々、暗い海底に残されている。 終戦直後、復員や引揚時に持ち帰られた遺骨は約93万2千柱。昭和27年からは政府事業として旧主要戦域のいわゆる象徴遺骨(遺骨の一部)約1万2千柱が収容されたが、同3

    遺骨の取り違えはなぜ起こったか(上) 渡久地政見(団体職員)
  • 【第973回】北朝鮮の核の脅しに屈してはならない

    10月10日、北朝鮮は9月25日から10月9日まで合計7回行われたミサイル発射について、金正恩総書記が現地で指導した「戦術核運用部隊の軍事訓練」だったと明らかにした。 私が繰り返し指摘しているように、北朝鮮のミサイル発射には国防科学院の試射と軍の訓練の2種類がある。核ミサイル開発は軍でなく党軍需工業部の下にある国防科学院が担当し、開発段階で試射を行う。開発が終わって実戦配備した後に軍が訓練を行う。今回、「訓練」と発表されたのは、これらミサイルが開発を終えて実戦配備されたことを意味する。 ●発射ミサイルに模擬核弾頭 北朝鮮は昨年から今年8月までに26回ミサイル発射を行っていた。しかし、その大部分は試射だった。(昨年から今年4月まで20回のうち2回だけが「鉄道機動ミサイル連隊の検閲射撃訓練」、5月から8月の6回は公式報道がなかった)。 今回発射されたミサイルには模擬核弾頭が搭載されていた。目標

    【第973回】北朝鮮の核の脅しに屈してはならない
  • 【第974回】財務省主導の防衛国債反対論を排す

    ミサイル発射に邁まい進する北朝鮮の金正恩総書記、再びウクライナ全土攻撃に走るロシアのプーチン大統領、〝終身皇帝〟になる中国の習近平国家主席。異形の国々のもたらす国防の危機にわが国は直面している。わが国の課題は、①憲法改正で自衛隊を警察力の枠から引き剥がし、通常の軍とすること②軍事力を強化すること―である。①の実現に時間がかかるいま、岸田文雄首相の目下の課題は②である。 ●増税は日経済を滅ぼす 戦後70年以上、日国全体が軍事に背を向けてきたツケは深刻で、自衛隊は人員、武器装備、修理、備蓄、部品など、どの分野も不足ばかりで、継戦能力が疑問視される。一連の空白を埋めるため、政府は5年で国防費を倍増する。 国の基は健全な経済と強い軍だ。自らの内閣を「政策断行内閣」だと誇る岸田首相は、日が平時ではなく有事にあるとの認識をまず明確にし、国防体制の根的転換を実現しなければならない。有事下で経済

    【第974回】財務省主導の防衛国債反対論を排す
  • 【第967回】未確認の拉致被害者を忘れるな

    2002年9月17日、小泉純一郎首相(当時)が平壌を訪問、北朝鮮の金正日総書記(当時)は拉致を認め謝罪した。だが、北朝鮮側は5人生存、8人死亡と一方的に告げた。これは虚偽を含んでいる。同年10月、蓮池薫さんら5人が24年ぶりに帰国を果たして以来、拉致被害者は誰一人として帰国できていない。 小泉訪朝は画期的な出来事ではあったが、拉致問題の解決には至らず、むしろその問題の根深さを浮き彫りにした。 その最たるものが、未確認の拉致被害者が相当数いる可能性が浮上したことである。5人の中に、拉致被害者だと誰も認識していなかった曽我ひとみさんが含まれていたことがきっかけである。曽我さんとお母さんのミヨシさんは単なる失踪だと考えられていた。 ●連れ去りは北朝鮮の体質 曽我さんの件が知られるようになって「うちの子が、夫が、兄が、妹が失踪している」という相談が相次いだ。当時、その情報の入力をたまたま私がするこ

    【第967回】未確認の拉致被害者を忘れるな
  • 次期日銀総裁人事に注目を 江崎道朗(評論家)

    7月11日付産経新聞朝刊の「正論」欄に「日再建に尽くした安倍元首相」と題して、以下の三つを第2次安倍政権の成果として挙げた。第一に、アベノミクスを推進したことだ。具体的にはデフレ脱却を掲げ、日銀行による金融緩和を進めて雇用改善に努めたことだ。第二に、政権支持率が下がることを覚悟のうえ、特定秘密保護法や平和安全法制などを整備し、外交・安全保障とインテリジェンスの機能を強化したことだ。第三に、国家安全保障会議(NSC)を創設して国家安全保障戦略を策定し、自由で開かれたインド太平洋構想を推進したことだ。 金融緩和主導した黒田氏 第一の、雇用改善とデフレ脱却に向けて成果があったこのアベノミクスは、官邸の説明によれば、3の矢で構成されている。第一の矢が「大胆な金融緩和」(金融緩和で流通するお金の量を増やし、デフレマインドを払拭)、第二の矢が「機動的な財政政策」(約10兆円の経済対策規模によって

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  • 核先制使用宣言は金正恩の恐怖の産物 西岡力(モラロジー道徳教育財団教授)

    北朝鮮は9月8日、最高人民会議(国会)で核兵器使用条件などを定める「核戦力政策に関する法令」(以下「核法令」)を採択し、党総書記の金正恩が「核放棄のための交渉はあり得ない」「核はわれわれの国威であり、国体であり、共和国の絶対的な力である」とする施政方針演説を行った。法令と演説を詳細に分析すると、金正恩政権の置かれた苦境がよく分かる。 金正恩は今、二つのことに恐怖を感じている。第一に、韓国の尹錫悦政権成立後に急速に正常化した米韓軍事同盟への恐怖だ。第二が、制裁と国境封鎖で生活難に苦しむ人民の不満が高まっていることへの恐怖だ。 米韓軍事同盟への恐怖 まず、第一について見ていこう。核法令では、核の先制使用もあり得ることを明文化する五つの「核使用条件」が定められた。 相手が核攻撃をしてこなくても、核以外の大量殺りく兵器による攻撃を受けるか、それが差し迫ったと判断される場合、あるいは「国家指導部と国

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  • 【第942回】安倍氏の遺志を継ぐことが首相の務めだ

    安倍晋三元首相が暗殺された。最強の指導者を奪われたことへの不安、テロへの心からの憎しみと憤り、テロを許す国であってはならないとの国民の危機感が、暗殺直後に行われた参議院議員選挙で自民党歴史的大勝をもたらした。 ●動画が映し出す弛緩した日 安倍氏暗殺の現場を撮った動画には、わが国の弛緩しきった姿が写されている。1発目の銃弾は外れ、2.5~3秒後に放たれた2発目で、安倍氏はほぼ即死した。1発目と2発目の間、現場にいた警備担当のプロフェッショナル達は何の反射行動も取れず、突っ立っていた。彼らが慌てて動いたのは、2発目の弾で安倍氏が倒れてからだったのが動画から見て取れる。 その姿は日国憲法前文と9条に重なる。即ち日さえ平和を守り、悪事を働かなければ、世界の国々は日に手を出さない、従って日は軍備を最小限に、力の行使は慎重に、相手国を刺激しないように大人しくしているのがよい、というパシフィ

    【第942回】安倍氏の遺志を継ぐことが首相の務めだ
  • 【第914回】憲法改正の好機が到来した

    国際情勢の変化は日に憲法改正の必要を促している。ウクライナ戦争によって北大西洋条約機構(NATO)諸国はこぞって防衛面の強化に乗り出し、とりわけ軍事忌避の傾向が強かったドイツは国内総生産(GDP)の1.5%だった防衛費を一挙に2%以上へ引き上げることになった。日の防衛努力強化の動きに敏感な米国の一部リベラル派に存在した「軍国主義復活」警戒論も、当面は静かである。憲法改正はいま3度目のチャンスを迎えている。 ●逃した2度のチャンス 最初のチャンスは1979年12月のソ連のアフガニスタン侵攻で訪れた。当時のカーター米大統領は80年1月の一般教書演説で、ペルシャ湾岸地域を支配しようとするいかなる外国勢力の試みも「米国の死活的利益に対する攻撃と見なす」と述べ、軍事力を含む必要なあらゆる手段で撃退するとの強い姿勢を示した。同時期に訪日したブラウン米国防長官は、大平正芳首相、大来佐武郎外相、久保田

    【第914回】憲法改正の好機が到来した