東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡り、太平洋島嶼(とうしょ)国の反応が分かれている。フィジーの首相が「日本は親友だ」と述べて放出を支持した一方、中国傾斜が進むソロモン諸島は懸念を表明した。島嶼国全体で抗議が過熱する様子はないが、中国は処理水の危険性を強調して反対の声をあおる外交活動を展開。島嶼国を揺さぶる動きを進めている。 各国に残る核実験の記憶「この排水は国際的な安全基準を満たしていると信じている。私たち(島嶼国)全員にとって厳しい状況であり、科学に基づいて評価する必要がある」。地域機構「太平洋諸島フォーラム(PIF)」議長国であるクック諸島のブラウン首相は8月23日、処理水放水を巡って言葉を選びながら、見解を示した。