作家の佐藤優氏(三尾郁恵撮影)第2回ロシア・アフリカ首脳会議が7月27~28日、ロシアのサンクトペテルブルクで行われた。筆者はロシア情勢を36年以上ウオッチしているが、今回のクレムリン(ロシア大統領府)の情報開示は普段と異なっていた。全体会合、ワーキングランチ・ディナーの記録を全面開示(ただし28日のウクライナ問題に関するワーキングディナーを除く)し、首脳会談の記録についても通常は冒頭の挨拶くらいしか開示されないが、今回は機微に触れる内容がかなり含まれていた。 筆者には、プーチン大統領が全世界のロシア専門家に対して「ウクライナ戦争後のロシアの世界戦略については、今回、開示した文書をよく読めば分かるはずだ。俺の頭の中を覗(のぞ)いてみろ」という宿題を出しているように思えてならない。筆者はクレムリンが開示した文書をすべて日本語に翻訳し、ファイルして5回通読した。そこから見いだした特徴が5つある