台湾周辺を航行する中国海警局の艦船=5月23日(台湾国防部提供・共同)中国の習近平政権が描く台湾統一の最有力シナリオは、話し合いによる平和的統一でも武力侵攻でもない第三の道「北平(ベイピン)モデル」だ-。台湾で今、こうした見方が浮上している。 狙いは大軍による無血開城清朝滅亡後の中華民国は首都を南京に置き、北京は「北平」と呼ばれた。国共内戦の趨勢(すうせい)が決しつつあった1949年1月、北平に拠点を置く国民党軍の華北総司令、傅作義(ふ・さくぎ)は共産党軍に包囲され、その脅迫を受けて無血開城に応じた。つまり北平モデルとは国民党軍の流れをくむ台湾軍を共産党軍が再び包囲して降伏させる「脅迫的統一」だ。