【読売新聞】 国際法を無視した行動を食い止めるには、それを許さないという国際世論を形成することが重要だ。日本はアフリカとの外交関係を生かし、秩序の回復に努めねばならない。 岸田首相がエジプト、ガーナ、ケニア、モザンビークのアフリカ4
【カイロ=佐藤貴生】米国で13~15日に開かれたアフリカとの首脳会議で、バイデン米大統領はアフリカへの関与を再び強化する姿勢を示した。双方の首脳会議は8年ぶりで、先行してアフリカに浸透する中露の壁は厚い。米国がアフリカの信頼を取り戻せるかは今後の行動にかかっている。 エジプト政府によると、シーシー大統領は訪米中、バイデン氏の招きに謝意を表した上で、米国との関係が「アフリカの人々の負担を軽減し、よりよい将来を確保する」ことにつながるよう望むと述べた。 国内の反体制派を締め付け強権統治をするシーシー氏は1年前、米国で開かれた「民主主義サミット」には招かれなかった。当時、「民主主義を強化して権威主義を押し返す」と呼びかけたバイデン氏は今回、「(アフリカへの)関与を示すため、外交と投資を通じて着実に働く」と述べ、民主主義の色合いを薄めて「協働」を訴えた。 アフリカは紛争が絶えず汚職が蔓延(まんえん
バイデン米大統領が13~15日、アフリカ49カ国を招く首脳会議は、積極的なアフリカ外交に乗り出す契機となりそうだ。中国が強固な関係を築くアフリカで、米国も協力強化に本腰を入れることをアフリカ諸国は歓迎しているとみられる。急増する人口を背景に市場拡大が見込まれるアフリカを舞台に、米国も中国やロシアとの「勢力争い」に名乗りを上げた形で、つばぜり合いが本格化しそうだ。アフリカ各国は米国と中露を天秤にかけながら恩恵を享受できる立場になる。(カイロ 佐藤貴生) AP通信によると、バイデン米大統領は15日までの米アフリカ首脳会議で、来年のアフリカ歴訪計画を表明する見通しだ。トランプ前大統領は在任中に訪問せず、米国の「アフリカ回帰」を印象づける。 一方、中国の習近平国家主席は活発な対アフリカ外交を展開している。タンザニアのサミア大統領と11月、北京で会談し、「中国は欧米と異なる発展の道を見つけた」と強調
【読売新聞】 アフリカなどで流行した激痛を伴う感染症「ギニア虫症」が撲滅へあと一歩に迫っている。寄生虫の一つ「ギニア虫」が引き起こし、1980年代には年間350万件も発生していたが、米国の非政府組織が主導した撲滅活動で今年は8月まで
27日、チュニジアで開かれたアフリカ開発会議(TICAD)で、チュニジアのサイード大統領(前列左)と一緒に座る林外相(ゲッティ=共同)54の国があるアフリカ大陸には14億人以上が居住しており、「最後のフロンティア」と呼ばれる有望な投資先として世界の注目を集めている。日本政府が主導してチュニジアの首都チュニスで27、28日の2日間にわたって開催されたアフリカ開発会議(TICAD)は、大規模なインフラ支援を行う中国や、軍事面で結びつきの強いロシアがアフリカで影響力を拡大している現状からの巻き返しも意図している。ただ、中露とアフリカ諸国との関係はかなり緊密で、日本が割って入るのは決して容易ではない。 圧倒的な中国の存在感中国は1960年代頃から、アフリカ諸国に資金や労働力を援助し、浸透してきた。2000年には日本のTICADに似た中国アフリカ協力フォーラム(FOCAC)を設立。近年は巨大経済圏構
岸田文雄首相が27日開幕したアフリカ開発会議(TICAD)で念頭に置くのが、「最後の成長フロンティア」と呼ばれるアフリカで影響力を拡大する中国やロシアの存在だ。中国は巨大経済圏構想「一帯一路」の下、途上国を借金漬けにする「債務のわな」が問題視される。首相は「人への投資」など日本流の支援を通じ、中露への傾斜にくさびを打ちたい考えだ。 「われわれには登らなければいけない山がたくさんある。日本はこの山々をアフリカとともに登りたい」 首相はオンライン出席した開会式で、南アフリカのマンデラ元大統領の言葉を引用し、連帯を訴えた。 首相がアフリカに秋波を送るのは、将来の巨大市場として期待されるだけでなく、中露が触手を伸ばしていることがある。 中国は経済支援を通じて密接な関係を築き、昨年の「中国アフリカ協力フォーラム」では習近平国家主席が新型コロナワクチンの提供なども表明した。 ロシアも旧ソ連時代から伝統
「最後の成長フロンティア」であるアフリカを舞台に、中国やロシアは無謀な融資を行い、治安を請け負うなどで影響力を強めている。 強権統治を蔓延(まんえん)させる両国の手法は看過できない。米国などと連携し、対抗せねばならない。 北部チュニジアで27~28日開催される第8回アフリカ開発会議(TICAD8)は日本が主導し、アフリカ諸国の首脳が参加する貴重な外交のツールである。日本の存在感を明確に示すべきだ。 バイデン米政権は先ごろ、アフリカのサブサハラ地域(サハラ砂漠以南)との関係強化に向けた米国の新戦略を発表し、中露両国のアフリカへのアプローチに対して明確に警戒感を示した。 中国には「商業的、政治的利益追求のため透明性や開放性を踏みにじっている」と指摘した。 ロシアに対しては「ウクライナ侵略をめぐる反対意見を弱めるため、経済や安保のつながりを利用している」と批判した。国連総会などの投票では先進国も
モザンビークの湿地で田植えを指導するJICAの専門家(左)=2018年1月(JICA提供)ロシアのウクライナ侵攻後、穀物価格高騰による食料危機が懸念されるアフリカで、日本の支援によるコメの生産量倍増プロジェクトが続いている。2008年から23カ国で始まり、10年間で目標を達成。対象国を拡大し、30年までにさらに倍増を目指している。取り組みのきっかけとなったアフリカ開発会議(TICAD)は8月下旬、チュニジアで8回目が開催される予定で、食料問題を巡る日本の支援が注目される。 人口が増加するアフリカは07年~08年にも世界的な穀物価格上昇で食料危機に直面し、食料増産は長年の課題だ。そこで08年のTICADで、日本の国際協力機構(JICA)とNGOがコメ生産量倍増を目指す「アフリカ稲作振興のための共同体(CARD)」を立ち上げた。 支援対象はサハラ砂漠以南のサブサハラ・アフリカの23カ国。アフリ
中国共産党が出資したタンザニアの「ムワリム・ジュリウス・ニエレレ・リーダーシップスクール」の外観(同スクールのHPから)アフリカのタンザニアに今年、中国共産党が出資する「政治塾」が開校していたことが判明した。南部アフリカ地域の若手政治家を対象に党の統治手法や発展モデルを教える学校で、5~6月に第1期生120人を受け入れ、中国が達成したとする「脱貧困」政策の〝奥の手〟などを伝授したようだ。党外交の拠点として一党独裁を「輸出」し、アフリカに浸透させることで影響力増大を図る狙いとみられ、「(北京の)中央党校のアフリカ分校だ」との声も上がる。 習近平氏も激励中国メディアなどによると、開校したのは「ムワリム・ジュリウス・ニエレレ・リーダーシップスクール」。中国側が4000万ドル(約53億円)を出資して今年2月、タンザニアの中心都市、ダルエスサラーム近郊に完成した。同国の故ニエレレ初代大統領の名前を冠
アフリカで発生してきたサル痘が、アフリカ以外で多数確認され「異常」事態 英紙が元ソ連科学者の24年前の証言を元にロシアの「サル痘の生物兵器計画」報道 そもそもサル痘はどんな病気か?ロシアの関与は?報道の信憑性は? 動物由来のウイルス感染症「サル痘」がヨーロッパなどで流行の兆しを見せている。世界保健機関(WHO)は21日、ヨーロッパと北米、オーストラリアの計12カ国で92人がサル痘に罹患したと発表した。サル痘は、これまでアフリカ大陸では継続的に発生してきた感染症だが、アフリカ以外で多数確認されるのは、「きわめて異常」(WHO)だ。 報道のソースとなった亡命科学者の証言 そんな中、この週末、にわかに信じがたいニュースがイギリスから飛び込んできた。イギリスのタブロイド紙「The METRO」が報じ、インドの英語放送チャンネル「WION」が外電引用した「Russia ‘planned to use
ロシアのウクライナ侵攻を受けて国連総会は4月上旬、ロシアの国連人権理事会での資格停止を採択した。90カ国超が賛成するなか、アフリカでは40カ国以上が反対、棄権もしくは欠席して注目を集めた。ロシアは軍事支援などのカードを駆使してアフリカへの浸透を図り、親露国家の拡大を進めてきた。これが侵攻に対する批判の封じ込めに役立った格好だ。 乱れた批判の足並み国連総会では4月7日、ロシアが侵攻したウクライナで「重大かつ組織的な人権侵害」を行ったとして、国連人権理事会(本部ジュネーブ)のロシアの理事国資格を停止する決議案の採決が行われた。全193カ国のうち賛成93、反対24で賛成が投票総数の3分の2を超え、資格停止が決まった。
世界食糧計画(WFP)は8日、アフリカ大陸東端の地域が過去40年間で最悪規模の干魃(かんばつ)に見舞われ、エチオピア、ソマリア、ケニアの3カ国で計1300万人以上が厳しい飢えの脅威に直面していると発表した。日照りはしばらく続く見通しで、WFPは国際社会が迅速な支援措置を取らなければ「事態はさらに悪化する」と警告している。 現地では作物が育たず食料価格が上がった。農作業の働き口が減ったことは労働者の収入減にもつながり、ますます食料の入手が困難になっているという。 WFPによると、干魃によって食料援助が必要となった人は推計でエチオピア570万人、ケニア280万人。ソマリアでは、人道支援が実施されなかった場合、5月までに460万人が急激な食料不安の状態に陥るとした。 国際機関などによると、アフリカでは島国マダガスカル南部でもここ5年ほど深刻な魃が発生。一方、2021年は南スーダンなどが大雨による
【北京=三塚聖平】中国外務省の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官は9日の記者会見で、アフリカ東部ソマリランドの訪問団を台湾が受け入れたことについて「(台湾の与党)民主進歩党は自らが分裂をたくらむだけでなく、他国の独立と統一を破壊している」と非難した。 ソマリランドは1991年にソマリアからの独立を一方的に宣言し、国際的に国家として承認されていない。台湾とソマリランドは、2020年に代表処(大使館に相当)を相互に設置している。台湾がアフリカで外交関係を維持するのは現在、エスワティニ(旧スワジランド)のみ。 中国の習近平政権は、ソマリアを含む「アフリカの角(つの)」と呼ばれるアフリカ東部地域との関係強化を図っており、1月上旬には王毅国務委員兼外相が同地域の担当特使を任命する方針を表明している。
【読売新聞】 【ヨハネスブルク=深沢亮爾】アフリカ北東部スーダンのアブダラ・ハムドク首相は2日、辞任の意向を表明した。昨年10月の軍事クーデターに反対する民主化勢力などの抗議運動の収拾に失敗し、組閣も出来ない状況に追い込まれる中、政
新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン型」の感染者として、日本で最初に確認されたのはナミビア国籍の外交官であったことから、ナミビアという国名がしばしばニュースで報じられるようになりました。このナミビアという国は、アフリカ大西洋岸沿いに南アフリカ共和国の国境付近まで1200キロメートル以上にわたって続く、世界でも珍しい海岸に位置する「ナミブ砂漠」で有名です。 なかでも南北約320キロメートル、幅約120キロメートルの「ナミブ砂海」と呼ばれる一帯は、高さ100メートル~300メートルを超える巨大な砂丘が延々と連なる特異な自然美で知られ、2013年に世界自然遺産に登録されました。 私は南アフリカが誇る世界最高級の豪華列車ロボス・レイル(Rovos Rail)の「プライド・オブ・アフリカ号(Pride of Africa)」で、ナミビアのスワコプムントから南アフリカのプレトリアまで旅した際に
アフリカ東部ソマリア沖アデン湾で海賊対処活動に当たった海上自衛隊の護衛艦ゆうぎりが19日、海自横須賀基地(神奈川県横須賀市)に帰港した。ゆうぎりは派遣期間中、英国やドイツの海軍と訓練を実施するなど、中国の海洋進出をにらみ、諸外国との連携強化を図った。 横須賀基地で開かれた帰国行事には隊員らの家族約250人が出席。防衛省の岩本剛人政務官は訓示で「自由で開かれた海洋秩序の維持、強化に尽力するわが国の能力を世界に示した」と述べた。 防衛省によると、ゆうぎりには約200人の隊員に加え、8人の海上保安官も乗船し、6月に横須賀基地を出港。11月にアデン湾で英海軍の最新鋭空母クイーン・エリザベスを中核とする空母打撃群と共同訓練を実施したほか、12月には沖縄南方で、ドイツ海軍のフリゲート艦バイエルンと共同の戦術訓練をした。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く