【読売新聞】 大国のイランとイスラエルが衝突するような事態になれば、中東全体に戦火が広がりかねない。報復の連鎖に陥らないよう、関係国には自制を強く求めたい。 シリアにあるイラン大使館の領事部がミサイル攻撃を受け、イランの精鋭軍事組織
米軍がイラクとシリア領内にある親イラン武装組織の拠点を攻撃した。先月下旬、ヨルダンの米軍施設で親イラン民兵組織による無人機攻撃で米兵3人が死亡したことへの報復だ。敵対勢力による米兵の犠牲は昨年10月にイスラム原理主義組織ハマスがイスラエルを奇襲攻撃して以降初めてだ。 昨年10月以降、ハマスへの連帯を示す親イラン武装組織による、イラクとシリアの駐留米軍などへの攻撃は165回以上にのぼった。一連の攻撃に米国がこれ以上沈黙を続ければ、米兵や関係施設の安全が損なわれる恐れもあった。今回の報復攻撃は、米国の断固とした決意を示す正当な行為といえる。 カギを握るのは、イランの対応だ。イランは、レバノンのヒズボラやイエメンのフーシ派など親イラン勢力への武器供給や支援を直ちにやめ、米国などへの攻撃停止を促すべきだ。 米国とイランが直接衝突すれば、戦火は中東全体に及ぶ恐れがある。イランは地域大国として安定化に
(月刊「正論」12月号より) 十月七日、イスラム原理主義組織ハマスがイスラエルに対して大規模なテロ攻撃を仕掛けました。それに先立って中国では杭州アジア大会が開かれましたが、九月の開会式の際にイスラエルの隣国シリアのアサド大統領が訪中し、習近平総書記と会談しています。アサド氏が帰国してほどなくハマスによるテロが始まったわけで、何か関連があったのでしょうか。 さかのぼれば昨年二月、ロシアによるウクライナ侵略の直前に、プーチン露大統領は訪中し習氏と会談しています。さらには一昨年二月にミャンマーでクーデターが起きましたが、同年一月には王毅外相がミャンマーを訪問し、なぜか同国の国軍司令官とも会談していました。現在、世界は自由・民主主義陣営と専制主義陣営に完全に二分されていますが、どうも両者の衝突のあるところ、中国が後ろで糸を引いていると言わざるを得ません。専制主義陣営の勢力は何か行動を起こす前に中国
サウジアラビア西部ジッダでアラブ連盟(22カ国・地域)の首脳会議が開かれた19日、1人の男性の一挙一動に大きな注目が集まった。約12年ぶりに参加資格を回復したシリアのアサド大統領だ。出迎えたサウジの実力者ムハンマド・ビン・サルマン皇太子と抱き合って和解をアピールした。 アサド政権は2011年に起きた反政府デモを武力弾圧し、アラブ連盟の資格を停止された。シリアはこの後、今も続く内戦に突入し、内戦で反体制派を支援したサウジがアサド政権の〝復権〟に尽力したとされる。敵味方が目まぐるしく入れ替わる中東政治の複雑ぶりを印象付けた。 アサド氏は議場での演説で、米国が連盟復帰に重ねて反対の意向を表明していたことを踏まえ、「歴史的な機会だ」と述べた。反体制派の弾圧のため、20回以上も化学兵器を使用した疑いがある札付きの独裁者だ。米国が反対するのは当然だろう。 サウジは3月、中国の仲介で宿敵イランと約7年ぶ
【ワシントン=大内清】シリアで23~24日、米軍が主導する有志連合の施設にイラン革命防衛隊系のグループによるとみられる攻撃が相次いだ。こうした事態は、イランに対話路線をとってきたバイデン米政権の威信をいっそう傷つけたといえる。ウクライナ侵略を続けるロシアと、覇権的行動を強める中国への二正面対応を強いられているバイデン政権に、中東への軍事的関与を強化する余力は乏しい。イラン側は事態のエスカレートを避けたい米国の思惑を見透かした上で攻撃を仕掛けている。 24日午後、訪問先のカナダ首都オタワで記者会見したバイデン大統領は、イラン側によるとみられる前日の無人機攻撃に対して即座に報復したことを誇りつつ、こう語った。「イランとの衝突は望んでいないが、(攻撃に対しては)全力で人々を守る」 だが、この数時間前にシリアでは有志連合の施設が2度目の攻撃を受けていた。イラン抑止に自信を示したバイデン氏としては最
トルコ南東部のシリア国境付近を震源とする大地震の発生から1カ月となる。死者は両国で5万人を超えた。言語に絶する大災害である。 現地では多数の人が屋外で避難生活を強いられている。衛生状況の悪化で感染症の蔓延(まんえん)も懸念されている。予断を許さない状況が続く中、内戦など政治的な理由で支援を受けられない人たちがいる。 人道上の支援で格差や空白地域があってはならない。助かるはずの命が失われることがないよう、国際社会は改めて連帯し、救援に取り組まなければならない。 トルコとシリアをマグニチュード7・8の地震が襲ったのは2月6日の未明だった。その9時間後には同規模の地震が起きた。いずれも内陸地震としては最大規模とされ、余震も続いている。世界銀行は地震によるトルコの被害額は約342億ドル(約4兆6500億円)と推計した。トルコの一昨年のGDPの4%にあたる。 シリアの被害も甚大だ。内戦下にある北西部
【読売新聞】 【カイロ=上地洋実】トルコ南部ガジアンテップ付近で6日に起きたマグニチュード(M)7・8の地震で、トルコと隣国シリアを合わせた死者数が10日、2万2000人を超えた。2011年の東日本大震災の死者・行方不明者数1万84
道路の寸断や、シリア内部の政治対立も加わって支援物資の輸送が難航しているが、国際社会は一刻も早く被災者の救援を進めねばならない。 6日に起きた地震の規模は、マグニチュード(M)7・8で、その後もM7・5の余震が続いた。多くの人が建物の下敷きとなり、トルコとシリアで合わせて1万数千人が死亡した。 死者数が1万人を超える地震は、2011年の東日本大震災以来だという。 今回の特徴は、高層アパートやビルが次々と短時間で倒壊したことだ。現地の映像では、レンガ造りの建物が多く、鉄筋による補強も十分ではなかったようだ。 トルコも地震の多発地域で、建物の厳しい耐震基準を設けているが、被災地では対策が進んでいなかったのではないか。 現在も多くの人が生き埋めになっている。被災地を結ぶ道路は、がれきで埋もれ、支援が遅れている。重機もなく、人々が手でレンガをかき分けながら生存者を捜している姿は痛ましい限りだ。 現
トルコ南部を震源とする地震で、シリアではアレッポなど北部一帯を中心に大きな被害が出た。8日時点で死者は2500人に上る。2011年に始まった内戦を経て被災地周辺はアサド政権と反体制派の支配地域が入り乱れており、海外の救難チームの入国や支援物資の輸送に支障が出ることが懸念される。地震が民衆の困窮に追い打ちをかけることは必至だ。 地震で大きな被害が出たシリア北部のうち、主要都市アレッポの周辺はアサド政権側が支配している。しかし、北西部では国際テロ組織アルカーイダ系やトルコ軍が、北東部では少数民族クルド人の民兵組織が影響力を持つ。これまでの対立の構図や勢力争いもからみ、被災者救援で協力し合うかは見通せない。 トルコ国境に近いシリア北西部ジンディレスの団体職員、ハサン・ジェニドさん(28)は8日、産経新聞の電話取材に「内戦中の砲撃で多くの建物やインフラが破壊され、地震の際に耐えられず倒壊した。救急
トルコ南東部のシリア国境付近を震源とする大地震(現地時間6日未明)で、甚大な人命被害が出ている。 9日で地震発生から3日になる。倒壊した建物にはまだ、多くの人々が取り残されているとみられる。救命・救助は時間との戦いだ。 瓦(が)礫(れき)に埋まった子供に救助隊が「大丈夫だ」と声をかける。倒壊したビルの前では取り残された家族の救助を求め、被災者がカメラに向かって泣き叫んでいた。現地の映像からは極めて深刻な被害状況が伝わる。時間の経過とともに増えていく両国の死者数に、胸が痛む。 日本政府はトルコに全面的支援を表明し、国際緊急援助隊・救助チームを派遣した。先発隊は7日にトルコに入っている。 欧米各国をはじめ、中国、ロシア、ウクライナも緊急支援に迅速に動き、活動を始めている。余震が続き、被害はさらに拡大する恐れがあるという。 二次災害を厳重に警戒しなければならない。そのうえで「救えるかもしれない命
【ロンドン=板東和正】6日にトルコ南部を震源として起きたマグニチュード(M)7・8の大地震で、トルコや隣国シリアの死者は計5千人以上となった。地震を受け、各国が相次いで支援を表明した。 現地メディアなどによると、トルコでは3419人の死亡を確認。シリアでも北部アレッポ県などで800人以上が死亡し、1400人以上が負傷した。北西部の反体制派地域でも790人以上が死亡した。トルコのエルドアン大統領は「(3万人以上が死亡した)1939年の地震以来、最大の災害だ」とした。 各国メディアによると、欧州連合(EU)はフランスなど7カ国で構成する救助隊をトルコに急派する方針。英国は捜索・救助要員を派遣する。ロシアの侵攻が続くウクライナのクレバ外相も救助要員をトルコに送る用意があると表明した。日本政府も6日、国際緊急援助隊・救助チームの先発隊をトルコに向けて派遣した。支援の申し出は45カ国以上にのぼるとい
6日にトルコ南部を震源として起きた地震で、トルコや隣国シリアの当局などによると、死者は両国で計3700人以上、負傷者は計1万6千人以上となった。世界各国が支援や捜索・救助隊の派遣を表明。ただ冬の厳しい気候に加え、シリア内戦の影響が続く地域も被災しており、困難も見込まれる。 トルコ災害緊急事態対策庁によると、トルコでは南部や南東部の10県で2316人が死亡し、1万3千人以上が負傷した。シリアでも被害は拡大し、保健省によると北部アレッポ県などで711人が死亡し、1400人以上が負傷。北西部の反体制派地域で活動する市民組織によると、反体制派地域で730人以上が死亡し、2100人以上が負傷した。 各国メディアによると、トルコに対して英国が捜索・救助要員を、ギリシャが輸送機や救助車両、救助犬を派遣。インドは医療チームなどで支援する。日本政府も6日、国際緊急援助隊・救助チームの先発隊をトルコに向けて派
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