核家族化や両親の共働き、加工食品や外食産業の増加など、ライフスタイルや環境の変化は、家庭内の食卓事情にも大きく影響を及ぼしました。それにより、近年では栄養バランスの偏った食事が懸念されるようになっています。そんななか、子どもたちが食に関する正しい知識と食習慣を身に付けるために重要な役割を果たしているのが学校給食です。今回は、学校給食の今を知るうえで欠かせない、給食の歴史を紐解いていきます。 1889(明治22)年、山形県鶴岡町(現・鶴岡市)の大督寺というお寺の中に建てられた私立忠愛小学校で、生活が苦しい家庭の子どもに無償で昼食を用意したことが、日本における学校給食の起源とされています。その昼食は、大督寺の僧侶が一軒一軒家を回り、その家々でお経を唱えることでいただいたお米やお金で用意したものでした。 その後、1923(大正12)年には児童の栄養改善のための方法として国から奨励されるなど、徐々