セクハラ、売春、強制わいせつ……次々と性的な問題行動が明るみになった。これらの根本にあるものは何か? パワーの行使と乱用の違いとは? 『性暴力の理解と治療教育』の著者で大阪大学大学院教授・藤岡淳子氏が考察する。 彼らが「性暴力」問題でつまづいた理由 福田淳一財務次官のセクハラと新潟県知事の買春という政治家の性的問題行動の話題が続いていたが、山口達也メンバーの強制わいせつ事件発覚で全て吹き飛んでしまったような感がある。 セクハラ、買春、強制わいせつとラベルに多少の違いはあるが、自分の持っているパワーを乱用して、被害者の意思と自由を抑制し、自身の欲求を押し付けているという意味では、性暴力行動としての共通項がある。 政治家であろうと芸能人であろうと、仕事の面では優秀で成功を収めている人が、「性暴力」の問題でつまづくのは、一体なぜなのか? 被害者に「はめられた」のであって、加害行動をした人は「悪く