東京の下町、谷中。師匠・出船亭志ん米の家に住み込みながら修業する若手落語家の志ん田(しんでん)は、真面目すぎて全然パッとしない。師匠の娘の夕美にひそかに想いを寄せているが、いつもイジられてばかり。そんなある日、志ん田は、師匠から、かつて一門にいた兄弟子の志ん魚(しんとと)を探し出すように命じられる。スポンサーのご機嫌をとるためお気に入りの志ん魚を落語に復帰させようとの魂胆だったが、志ん魚は落語とは無縁な世界で自由に生きていた…。 2011年12月に亡くなった森田芳光監督の劇場デビュー作「の・ようなもの」の35年後を描く続編「の・ようなもの のようなもの」は、全編、森田作品へのオマージュに満ち溢れている。小さなシーン、何気ないせりふ、主要キャスト、チョイ役で登場するまさかの大物俳優たち(そのほとんどが森田作品出演者)と、ファンサービスは過剰なほどだが、この続編の作り手が、いかに森田芳光という