『DVシェルターの女たち』(春日野春子/彩図社) 『DVシェルターの女たち』(春日野春子/彩図社)を開けば、いきなりきつい描写が書かれている。 ガリガリにやせて小さくなった老婆。 毛布をかぶってベッドの上から動かないイモムシ女。 サンダルをはいた女たちが、ゾンビのようにヒタヒタと歩いている……。 読み始めなのに、思わず本を閉じたくなった。 本書は、夫からDV被害を受けた春日野氏が、DVという犯罪の怖さとそこから立ち直ることの難しさを訴えたノンフィクションドキュメンタリーだ。本書のタイトルでもある「DVシェルター」とは、DV被害を受けた女性が保護される施設のことだ。行政施設と民間施設の2種類があり、どちらも暴力夫が追いかけてこないよう、その情報は公になっていない。シェルターの内部、入所してくる女性たち、その後の生活など、ほとんど描かれることのない世界について書かれている。 本書の始まりは、D