人には人生を決定づける出来事、体験がある。しかし、寡黙な人は真実を語りたがらないものだ。オードリー・ヘプバーンもそうだった。オランダ貴族直系の家系に生まれ、彗星の如くハリウッドにデビューし、妖精スターとしての道を極める一方で、いつも家庭の幸せを模索していた人。そして、晩年を悲願でもあったユニセフ親善大使として慈善活動に捧げた人。それらは、あまりにも語り尽くされて来たライフストーリーだ。だが、オードリーの人生に最も強い影響を与えたのは、実はオランダでの戦争体験だったことが、次男、ルカ・ドッティによって明かされた。以下は、今年5月、かつて母オードリーと共に暮らしたローマの自宅に住まうドッティを訪ねた際の貴重なインタビューである。 ーーあなたの著書"オードリー at Home"に記されているレシピ集の中でも、特にお母さまのスパゲティ・アル・ポモドーロの部分が印象的ですね。 ドッティ 母が色んな国