[上海 27日 ロイター] - 2008年の金融危機の真っただ中、欧米の金融機関は大幅な人員削減を進めていた。一方、中国政府はそのころ、自国の株式市場の改革を進めるべく、混乱する金融業界から中国系の優秀な人材の「引き抜き」を進めていた。 【コラム】外貨準備取り崩しが招く中国発「量的引き締め」 1年にわたって高騰が続いた中国株が数週間で急落し、政府が対策に躍起になった今年の夏、そうした人材は中国証券監督管理委員会(CSRC)にとって、これまで以上に必要な存在だった。 しかし海外から中国に戻り、「海亀族」と呼ばれたエリート専門家たちはすでに、当局の仕事に幻滅したり失望したりし、民間企業に戻っていた。 帰国した「精鋭」20人のうちの1人は、CSRCが当時「祖国のため犠牲になる」ことを訴えていたと振り返る。「われわれは力になりたかったので、家族も中国に戻して高額な仕事もあきらめた」のだという。