【クアラルンプール=児玉浩太郎】クアラルンプール国際空港で13日、北朝鮮の金正男(キムジョンナム)氏(45)が殺害された事件で、北朝鮮のカン・チョル駐マレーシア大使は17日、声明を出し、遺体の早期引き渡しに応じないマレーシア側の対応を強く非難した。 大使のいらだちぶりは、事件の早期幕引きを図り、捜査の進展に神経をとがらせる金正恩(キムジョンウン)政権の内情を反映しているといえそうだ。 カン大使は同日深夜、正男氏の遺体が安置されているクアラルンプールの病院に黒塗りの公用車で乗り付け、集まった報道陣に「遺体を引き取りに来た」と切り出した。「遺体を引き渡すよう何度も頼んだが、彼らが拒否した」と不満をぶちまけた。マレーシア警察高官と面会し、早期引き渡しを強く求めた際、死因の解明とは関係のない問題で拒否されたと主張した。