『絶対弱者:孤立する若者たち』 三浦宏文・渋井哲也著 ◇読者レビュー◇ 自分の周囲でも目立ち始めた困った人たち 平野 日出木(2007-12-30 16:30) たとえば病気や経済的な困窮などで「社会的弱者」になれば、社会的なシステムによって保護され、医療・福祉・教育の観点から救済され得る。 ところが、こうした「社会的弱者」にくくりにくい弱者が、現在、大量発生している、と本書はいう。 目に見えるような、明らかな形で現れてこない弱者は、社会システムの救済対象にならない。だから、救いようがない。そこで2人の著者は「絶対弱者」と命名した。 著者のひとりは、オーマイニュースに多数寄稿し、木曜日と金曜日にはデスクも務めている、ジャーナリストの渋井哲也さんだ。渋井さんはネットコミュニケーションに関心が深く、ネット上とリアルの場の両方で若者と実際に交流し、彼らをつぶさに観察してきた。一方、三浦宏