赤木智弘の『若者を見殺しにする国』は、売れている。ぼくの『オタクコミュニスト超絶マンガ評論』の売れ行きなど問題にならないくらいに。だって発売15日で2刷りだよ! この種の本でありえねえだろ。くそう。 橋本健二『新しい階級社会 新しい階級闘争』 こう語るのは、上記『オタクコミュニスト超絶マンガ評論』の著者、紙屋研究所の紙屋高雪。 この書き出しではじまる一文で、紙屋がいいたかったことは、正規労働者が非正規を搾取しているという論点への、赤木の強い執着でもある。 この赤木の論点の核心である。サヨクの紙屋はもちろん、これに不同意だとのべる。 紙屋ならずとも、労働者による革命が社会をかえ、そうして資本家の搾取から解放される社会がつくられるとマルクスが考えてきたことにしたがえば、むろん赤木のこの言説に強い違和感をもつはずだ。 搾取とは、階級社会において、生産手段の所有者が直接生産者に対して必要労働時間以