6カ国協議の米朝の首席代表、米国のヒル国務次官補(左)と北朝鮮の金桂冠外務次官=05年9月、北京〔共同〕 北朝鮮の核問題は今後、どう動くだろうか。考えられる近未来は現段階で大きく分けて3つ。いずれのシナリオも「平和的」とはとても言えない。 シナリオ1=北の核、黙認へ 「六カ国協議は解決なきまま続き、北の核が黙認されていく」――。現時点ではこのシナリオの可能性がもっとも高いと思われる。 北の核問題を話し合う六カ国協議の再開が論議されている。だが、再開されても北が核を放棄する可能性は少ない。 理由は2つ。まず、軍事的には米国が北朝鮮に対する武力の使用にますます慎重になっている、と北朝鮮が判断していること。米国がイラクでの軍事展開から足抜けできなくなっているからだ。 経済制裁に関しても、いざとなれば韓国からの援助増加で切り抜けられる、と北は考えているふしがある。核実験後も親北派で構成さ