飯田進著「地獄の日本兵 ニューギニア戦線の真相」(新潮新書、08 年7月)という本を読みました。 著者の飯田進氏は1923年生まれで、1943年志願して海軍民政府職員と なり、資源調査隊員としてニューギニアに赴任。激戦の地で無事生き 延びて終戦を迎えましたが、戦犯として重労働20年の刑に服しました。 この本はそうした飯田氏のちょっと変わった体験を綴ったものと思っ て買ったのですが、自分自身の体験の記述はごく一部で、ニューギニ ア戦線で戦った多くの軍人の体験記等からの引用が主体となっていま す。 そしてこの本で著者が言いたかったのは、<太平洋戦争中の戦死者で もっとも多い死者は、敵と撃ち合って死んだ兵士でなく、日本から遠 く離れた戦地で置き去りにされ、飢え死にするしかなかった兵士たち なのです>ということです。 そこに描かれているのは、蝶々や蜘蛛はいうに及ばず人肉までも口に する飢え、果てに