中村修『なぜ経済学は自然を無限ととらえたか』 コミュニストすなわち「赤」系の人間であるぼくは、「緑」系の人(環境を重視する立場のグループ、「環境派」と便宜的に書いておく)が主宰する経済学のゼミに出ている。 東京にいたときも出ていたが、福岡に引っ越してからはもう出る機会もないだろうとあきらめていた。しかし、最近は便利なもんだあるだべなあ。「Skype」という多角的に話せる無料ネット電話を使って福岡にいながらにしてゼミに参加するということをさせてもらった。 今回テキストにしたものの一つがこれ。1995年の本だ。 自然は無限ではなく劣化する有限なもの 自然は劣化する有限なものであるのに、従来の経済学は、劣化しない無限なものとして自然を扱い、無限に経済成長をつづけるという前提をおいてきた——中村はこう主張する。人間の生存基盤にかかわる前提を誤って設定してきた、というわけである。 中村は、経済学の主