チャーミングな人だ。茶色っぽい長い髪に大きなイヤリング。大胆に肩を出した黒のノースリーブ。オシャレな姿は、デビュー当時から変わらない愛らしいルックスとあいまって、30代半ばになったとは思えない。はんなりとした関西弁が柔らかみを加えている。 「なかなか関西弁が抜けませんよね。(標準語は)イントネーションが難しいでしょう」 京都に生まれ、早稲田大学進学時に上京。作家となってからは関東と関西を行ったり来たり。今は結婚、出産を経験し、子育てに追われるようになって生活も変わった。 「(小説を)書く時間は、子供を保育園に預けたり、夜に寝かしつけたときしかなくなった。家事もあります。だから時間が貴重だと思えるようになったし、(家族と過ごす時間が)いい気分転換にもなりますよ」 15年前、史上最年少の19歳で芥川賞を受賞した。受賞作はベストセラーとなり、同時受賞の金原ひとみ(当時20歳)とともにメディアの脚