佐藤亜紀さんの新刊『黄金列車』の刊行を記念して、三鷹「SCOOL」にて深緑野分さんとの公開対談が企画されました。『黄金列車』を巡る話から創作論にまで飛翔した濃密な対談から、一部をご紹介します! 削ぎ落された文体で描き出される「人間」の姿 深緑:今回帯の推薦文を担当させていただいたのですが、どうしようか、まるまる1週間パソコンの前で悩みました。この本は読んでいて本当にいろんな感情が湧きあがってくるので、深いところまで潜って感情を整理するという作業をする必要があって。読み終わったとき、ぼろぼろ泣いてしまって、感情が走りまくったメールを担当編集さんに送ってしまいました。そしてようやく出た言葉がこの「ここに人間がいる」だったんです。対談のために読み返していても、読みどころがたくさんあって、付箋の数が大変なことになってさっき佐藤さんにも引かれたんですけど(笑) 佐藤:読み込んでいただいていて、嬉しい