総合商社大手「丸紅」のブランドが悪用され、400億円以上が消えた巨額詐欺疑惑。病院再生事業を手がけると称した新興企業「アスクレピオス」が舞台の中心となったが、複数の外資系金融機関や個人投資家は、いくつもの巧妙な罠によって架空の投資話に乗ってしまったようだ。その1つが、投資説明に同席した「丸紅財務部長」の存在。「ニセ丸紅財務部長」を演じた自営業の男性A氏は産経新聞の取材に応じ、涙ながらに告白を始めた。(坂田満城、川畑仁志) がっくりとうなだれ「架空とは思っていなかった」 恰幅のよさと、40代前半という年齢にしては貫禄のある風貌。大手総合商社の部長職という役回りにも不自然さは感じられない。 だが問題が明るみに出た今、A氏はがっくりとうなだれ、消え入りそうな声で後悔の念を口にする。 「投資話が架空とは思っていなかった。なんでこんなことになったのか、分からない」 疑惑の概要を整理してみよう。 平成