こはにわ歴史堂のブログ朝日放送コヤブ歴史堂のスピンオフ。こはにわの休日の、楽しい歴史のお話です。ゆっくりじっくり読んでください。 【195】WGIPは「戦争についての罪悪感を日本人の心に植え付ける宣伝計画」ではない(その5) 「GHQの行なった思想弾圧で、後の日本に最も影響を与えたのは、『教職追放』だった。」(P426) と説明されていますが、「GHQの行なった思想弾圧」というのは不適切です。 戦争責任者や軍国主義を勧めていた者にとっては「弾圧」と思うのも当然かもしれませんが、戦時中の軍国主義をあおる書物などを没収するのはポツダム宣言にある「軍国主義の除去」に基づくものです。 戦後に書かれた書物の没収ではありません。戦前の軍国主義的な内容の書物の没収です。 たとえば、GHQの占領中に横田喜三郎の著した『天皇制』は、明らかにGHQの基本方針であった「天皇制の維持」「天皇の戦争責任否定」に反し