私が彼らに出会ったのは去年6月の晴れた日。 大きな声を上げる人、ことばで意思を伝えることが難しい人、自分では靴を履けずさまざまな行動に介助を必要とする人…。 彼らは田んぼのぬかるみに足をとられながらも、初めての田植え作業に挑んでいました。 去年5月に横浜市の住宅街の一角にできた福祉事業所『でんぱた』。 重い知的障害のある人など10代から30代の5人が通い、生活に必要な力を身につけようとしていました。 障害のある人だけが集まる閉ざされた空間にしたくないと、地域と接点を持てるよう住宅街の中に畑を借りて共同作業をしていました。 でんぱたが作られたのは5年前の7月26日に相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害され、26人が重軽傷を負った事件がきっかけでした。 この施設の元職員・植松聖死刑囚は、「障害者は不幸をつくる」「意思疎通できない人間は生きる価値がない」と眠っていたと