タグ

ブックマーク / book.asahi.com (6)

  • 「君たちはどう生きるか」宮崎駿監督が、新作映画について語っていたこと。そして吉野源三郎のこと|好書好日

    宮崎駿監督の新作「君たちはどう生きるか」ポスター=スタジオジブリのTwitterより 「私自身、訳が分からない」 「おそらく、訳が分からなかったことでしょう。私自身、訳が分からないところがありました」。 2023年2月下旬、東京都内のスタジオで上映された、「君たちはどう生きるか」の初号試写。米津玄師の歌うピアノバラードが流れ、エンドロールが終わった瞬間、灯りが点き、宮崎駿監督のコメントが読み上げられた。 客席から軽い笑い声が漏れた。私もその一人だった。あまりの展開の速さと、盛り込むだけ盛り込まれた情報を消化しきれず、茫然と座り込んでいたが、その言葉で我に返った。 これは「宮崎アニメ」の集大成なのか、吉野源三郎の著書『君たちはどう生きるか』の再解釈なのか。とにかく、1回見ただけではとても全容を把握できなかった。 「自分のことをやるしかない」 今回の作品は、公開前のプロモーションも、メディア関

    「君たちはどう生きるか」宮崎駿監督が、新作映画について語っていたこと。そして吉野源三郎のこと|好書好日
  • ジェーン・スー「闘いの庭 咲く女」 阻まれぬ「花」に嫉妬したい|好書好日

    キラキラした世界で輝いてる人が嫌いだ。劣等感が刺激され、つい卑屈になってしまう。血眼になり悪いところを探し、見つけられると安心する。 『闘いの庭 咲く女』も(書籍ではあるが)自分にとってそんな存在だった。成功を手にした13人の女たちのインタビュー集。職種は美容界のカリスマと芸能人に偏りがち。まぁ積極的に読みたい類(たぐい)のではない。書店で平積みされる書を冷ややかに見ていた。 が、読んでみると、なるほど引き込まれる。シングルマザーになり困窮した神崎恵は、換金できる物を全て売り、美容サロンを開業し成功する。「母親として非常識」とバッシングされた辻希美は、自分を貫き成功する。女特有の困難をはね除(の)けていくサクセスストーリーに、つい胸が熱くなる。単なる有名人のインタビューだと斜に構えていた自分が恥ずかしくなった。 ただ、引っかかる箇所もある。作者のジェーン・スーの言葉だ。「女にまつわるつ

    ジェーン・スー「闘いの庭 咲く女」 阻まれぬ「花」に嫉妬したい|好書好日
  • 依存経験、20年経て向き合えた 小田嶋隆さん 「上を向いてアルコール『元アル中』コラムニストの告白」|好書好日

    「どうしても、深く掘り下げられなかった」。20代の終わりから約10年、アルコール中毒だったこと。そして、いかにそこから抜け出したか。20年間書けなかったことを、ついに「告白」した。 元々酒はそんなに飲まなかったが、仕事が軌道にのり、時間もお金もできた頃には「朝からちびちび(ほんとは、たくさん)」飲むように。気付けば月に数度は「連続飲酒発作」を起こし、点滴を打っては飲む生活を繰り返した。擦り傷から大流血の事態までケガも絶えなかったが、「自分はアル中じゃない。原稿はちゃんと書けてる、なんて思ってた」。 体調を崩して飲まない日が続いた時、一睡もできずに幻聴や「ティッシュケースから、手がにょきっと」でる幻覚に襲われた。たまらず心療内科へ駆け込むと「アル中」との診断。それ以来「断酒中のアルコール依存者」という状態が20年続いている。 体験をにしないかと編集者に持ちかけられたのは、10年前のこと。「

    依存経験、20年経て向き合えた 小田嶋隆さん 「上を向いてアルコール『元アル中』コラムニストの告白」|好書好日
    atahara
    atahara 2022/06/24
    小田嶋さん、何となく独身かと思ってたが、妻さんにお子さん二人もいたのか。合掌。
  • 北村紗衣さん「お砂糖とスパイスと爆発的な何か」インタビュー 目からうろこのフェミニスト批評集|好書好日

    文:篠原諄也 写真:斉藤順子 北村紗衣(きたむら・さえ)武蔵大学人文学部英語英米文化学科准教授 1983年、北海道士別市生まれ。専門はシェイクスピア、フェミニスト批評、舞台芸術史。東京大学の表象文化論にて学士号・修士号を取得後、2013年にキングズ・カレッジ・ロンドンにて博士号取得。著書に『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち──近世の観劇と読書』 (白水社、2018)、訳書にキャトリン・モラン『女になる方法──ロックンロールな13歳のフェミニスト成長記』(青土社、2018)など。 傑作とされる古典がつまらなかった ――フェミニスト批評とは何でしょう? フェミニスト批評はこれまでの批評が実は男子文化だったことに立脚しています。つまり、批評の歴史を振り返ると、男性中心的な社会の中で、男性向けに作られたものを男性の視点で読む。それが普遍的な解釈だとされてきました。 日の近代文学もそうで、たとえ

    北村紗衣さん「お砂糖とスパイスと爆発的な何か」インタビュー 目からうろこのフェミニスト批評集|好書好日
  • 【半藤一利×青木理 対談】歴史は繰り返すのか? 『世界史のなかの昭和史』より|じんぶん堂

    記事:平凡社 半藤一利氏(右)と青木理氏(左)。平凡社総合文芸誌『こころ』Vol.42掲載の対談記事より転載。(撮影=川島保彦) 書籍情報はこちら 欧米列強の政略や戦略に翻弄された昭和の歴史を「世界史の視野から」「現代の視点で」時系列に辿った“半藤昭和史”完結篇 『世界史のなかの昭和史』。書の平凡社ライブラリー版に収載された青木理氏との対談では、政治やメディアによって煽られた国民の侮蔑感情が、取り返しがつかない結果につながってしまうことに警鐘を鳴らしている。 侮蔑感情の因果関係 青木 書の中で他にも印象的だったのは、大正末ぐらいから、中国人に対する日人の侮蔑のような感情が「民草」にも非常に広がっていたという部分です。「民草は怪(け)しからんにも程があると敵愾心(てきがいしん)をつのらせる、なかば侮蔑を加えながら」と書かれていますね。つまり、敵対する国や民族に対して人びとが侮蔑まじりの

    【半藤一利×青木理 対談】歴史は繰り返すのか? 『世界史のなかの昭和史』より|じんぶん堂
  • 『人新世の「資本論」』斎藤幸平さんインタビュー マルクスを新解釈、「脱成長コミュニズム」は世界を救うか|好書好日

    文:篠原諄也 写真:斉藤順子 斎藤幸平(さいとう・こうへい)経済思想家 1987年生まれ。大阪市立大学大学院経済学研究科准教授。ベルリン・フンボルト大学哲学科博士課程修了。博士(哲学)。専門は経済思想、社会思想。 Karl Marx’s Ecosocialism:Capital,Nature,and the Unfinished Critique of Political Economy(邦訳『大洪水の前に』/堀之内出版)によって権威ある「ドイッチャー記念賞」を日人初歴代最年少で受賞。 近著『人新世の「資論」』(集英社新書)は6万部を超えるベストセラーに。 気候変動を日で論じる必要性を感じた ――人新世とはどういう時代でしょう? まだあまり一般的には使われていないので、難しそうなイメージを抱いてしまうかもしれません。地質学の概念なのですが、言わんとすることは単純です。人類の経済活動の

    『人新世の「資本論」』斎藤幸平さんインタビュー マルクスを新解釈、「脱成長コミュニズム」は世界を救うか|好書好日
  • 1