「光る君へ」#13 “派手好き”で目立ちたがりの藤原宣孝。「御嶽詣」の装束の奇抜さは、清少納言も『枕草子』で話題に! 第13回、窮きゅう乏ぼうしたまひろ(紫式部)の家を訪れた藤ふじ原わらの宣孝のぶたかは、鮮やかな黄色の上着を着ていました。まひろの父・藤原為時ためときが「御み嶽たけ詣もうでにその姿で行かれたのか」と驚いていましたね。宣孝のこの御嶽詣エピソードは、『枕まくらの草そう子し』に記されている一件です。 御嶽詣とは、吉野の金きん峯ぷ山せんに参詣さんけいすること。修験道しゅげんどうの聖地でご利り益やくがあると人気でしたが、厳格なしきたりがあり、参詣には予あらかじめ数十日間も身を浄きよめる必要がありました。また、どんなに身分の高い人でも、質素な浄衣(白装束)で参詣するのが習ならわしでした。 ところが宣孝は、皆と同じ格好では大勢の参詣者たちに埋うもれてしまい、願い事もかなわないと考えたという